連載「安らかな夜を迎えるために」の第4回が掲載されました。

サポートセンターに依頼をしてくる人で、回答を急いでいない人は基本的にいません(急いでいるのが自分だけだと思わないでくださいね)。回答に要する時間は、難易度など質問の内容によりますが、実はそれだけではなく、同じ質問であっても対応時間が大きく変わる場合があります。どうすれば少しでも早く回答をもらえるかは、読者の方にとって重要な関心事と思いますので、本コラムの中でもとりあげていきます。

さっそく門外不出の秘密の解説を・・・といきたいところですが、その前に準備が必要です。対応時間の短縮、効率化について説明するためには、サポートセンター内のプロセス(処理内容)の理解が前提となります。ところが、サポートセンターは、質問や依頼を入力すると結果が返ってくるブラックボックスであり、サポート業務を経験したことのない方には中の様子が想像しにくいでしょう。そこで最初に、サポートセンターとはどんなところなのか、から始めます。

サポートセンターの特徴として、以下があげられます。

  • どんな依頼がくるか、内容や難易度は事前に知ることができず、予想もできない
  • 依頼ごとに、対応に必要な時間は異なり、内容を確認するまでは予想できない
  • そうした依頼を限られた人数で対応しなければならない

サポート技術者の人数を増やすほど、サポートセンターとして対応できる範囲は広がり、ひとりひとりの対応する時間や負担は減りますが、費用が増加し運用が苦しくなります。現実には、対応する範囲と契約数などを考慮して、体制を組み、その体制でやりくりするのが普通でしょう。

そんなサポートセンターで働くサポート技術者の仕事は、

  • 案件のディスパッチを待つ
  • 担当した案件について調査/検討を行い回答する

の繰り返しです。

回答を早く得るということは、自分の依頼する内容の担当者へのディスパッチを最適化することに他なりません(オペレーティングシステムの知識を持たれる方であれば、スケジューラーのことを思い出されるかもしれません)。以上を前知識として、この後の回で具体的な最適化の手段(あるいは戦略)について取り上げていきたいと思います。