定期を取り戻す

朝起きたらネットでJRの紛失連絡先を調べて、東京駅の紛失の窓口の番号を携帯に登録して用事をたしに家を出た。受付開始の午前10時以降電話をかけ続けたけれど、勿論つながらない。何十回かけたかわからなくなる頃にやっとつながった。調べてもらったら、定期は見つかった。一人で茅ヶ崎まで出かけたらしい。「連絡先を言うのでひかえてください」と言われて、携帯とラジオしか持たない僕は慌てて近くの駐車場のおじさんにボールペンを借りた。そこで茅ヶ崎駅の担当の方の番号と紛失番号?を教えてもらってお礼を言って電話を切った。

東海道線はすごく遠くまで行く電車もあるけれど、幸い茅ヶ崎はそれほど遠くなかった。僕は切符を買って茅ヶ崎まで出かけて、事務所の方に身分証明書を見せて定期を引き取った。こうやって連絡したり取りに行かなかったらどうなるのか尋ねてみたら、JRの定期券は発行された駅に戻されるそうだ。僕の定期は横浜で購入していたので(ということは勿論無くした時点では覚えていない)、黙っていたら横浜駅に戻っていたのだろう。

無くしたことに気がついた夜は、もう戻らないかもしれないと思って半分あきらめていたから、勿論うれしい。僕は定期券をじっくりながめて、メガネふきのクロスで拭いてきれいにした。自宅に戻る途中、とても大切に扱った。定期券が戻ったのは勿論うれしいけれど、ふたつ疑問が残る。

  1. 何故僕は定期券を落としたのだろう?
  2. 定期券には時期情報で僕の電話番号や住所や生年月日の情報が含まれているのにどうして電話をかけてくれないのだろう?

でも、いいや。とにかく無くしたのは僕だし、定期券はこうして今僕のところに戻ったのだから。