1ヶ月くらい前から石油ファンヒーターの調子が悪くなった。スイッチを入れてから点火するまでの時間が通今までよりも10秒以上も長くなっている。バーナーの部分の目詰まりではないかと思った。

購入したのは4, 5年前、お店は近所のSATYで金額は1万円くらいだった。修理をすると必要パーツと工賃(技術力)で1万円くらいはかかるだろうから、新品を購入したほうが安上がりになる可能性がある(新品であれば新たにメーカの無償保証も使える)。だけど、おそらく修理したらまだ使えるであろう製品をゴミとして廃棄しなければならない。それをしたくなかったから電話で修理を依頼した。

使っている機種はファンヒーターの専業メーカのダイニチの製品で、実は保証がきいていた間に一度故障が起きて修理してもらったことがある。そのときと同じ人が来てくれて、僕も覚えていたけれど相手の人も覚えていてくれたようだ。原因は、点火の機構やバーナー部分ではなくて、点火を検知して着火の動作を停止するためのセンサーの不良だった。整髪料等シリコン系のスプレーを使うと、それがセンサーに付着して感度が鈍ってしまい、その結果「火がついているのに点火時の動作が継続する」ことになるということだ*1。見ると*2確かにセンサー部分が白くなっている。

センサーを交換し、症状が直ったことを確認するまで約1時間。費用は5,000円弱だった。僕はファンヒーターでなくても、壊れたものを修理するのが好きだ。修理をした製品は気のせいか自分に近くなったように感じて、「これからもよろしくね」と声をかけたくなる。


最初の故障の時に一度自分でヒーターの内部を開いてみたことがあり、その後2回の修理に立ち会って構造を興味深く見た。ファンヒーターは、燃焼を扱い、電子的に制御を行う精密機器で、物理的なファンや灯油タンクまで備えているが、驚くほどコンパクトに、モジュール化されている。これが1万円くらいで買えるというのはすごい(だけどそのために、修理をするよりも買い換えるほうが安いという事になり、まだまだ使える製品が廃棄しているとしたら嘆かわしいことだ)。ファンヒーターの「核」となるのはバーナーの部分で、パーツとしてはそこがもっとも高価で5,000円弱する。そこを交換すると修理はおよそ10,000円コースだ。

修理の方と色々お話したが、ファンヒーターを扱っているメーカーはたくさんあるが、ダイニチは業界No.1で次がCORONAだそうだ。家電メーカでも多く扱っているが、採算の問題があり、撤退が相次いでいるとのこと。修理のしやすさには機種やメーカにより違いがあるが、ダイニチのものは機種間での違いは少なく、他メーカより修理がしやすいということだ。しかも驚いたことに20年前の製品でもパーツが残っており修理できるらしい(勿論パーツによっては在庫がなくなったものもあるだろうけれども)。僕のヒーターも、「これでまた数年は使えますね」と言ったら、「約束は勿論できませんが、普通に使っていれば10年以上使えますよ」という答えだった。

ということで僕は、このファンヒーターをまた大切に使おうと思うし、もしまた故障したら同じところに修理を依頼し、修理できなくなったらまたダイニチのヒーターを買おうと考えている。

*1:ダイニチのページに掲載されているFAQ説明がある。

*2:僕はこうした作業を見るのが好きなので、今回のように出張修理を頼む時や電話の工事などをするときは、最初から最後まで横で見ている。