NHK BS スーパーライブ 井上陽水

録画しておいた陽水の「世田谷ライブ」を見た。僕が録画したのは9/22だが、9/16と9/22に2度オンエアされたらしい。収録日は2006年8月19日、会場は人見記念講堂NHKの携帯向けのサイトに掲載されていた情報から。

BS2・午後11・00〜午前0・30
9月22日(金)
 デジタル衛星ハイビジョン・午後9・00〜10・30

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 「若い頃ライブツアーで全国を一年中回り、年間100本以上ライブをやって、ほとほと 嫌になった。だけど、そうやって直接歌を聴いてくれた人たちが自分の音楽を支えてくれた ことに気付いた」と語る“井上陽水”。今年も新曲がCMに使われ、6月下旬にはニュー アルバムを発表するなど、J−POP界のトップ・アーチストとして活躍し続ける彼が、4月から “ライフワーク”ともいえるライブツアーで全国を精力的に回っている。  番組では、井上陽水の圧倒的な存在感を誇る最新のライブ・パフォーマンスをたっぷりと 紹介。スペシャル・インタビューを交え“井上陽水”の魅力に迫る。  (収録 2006年8月19日 人見記念講堂

番組は2度のアンコールを含むライブの映像とインタビュアーによる取材風景をミックスした構成をとっている。録画したものを2度見た。なかなか2度見ようと思う番組は少ない。曲名の後ろの発表年はオンエアの内容をメモしたものだ。発言の引用は自分の印象に残った部分の抜粋であり表現は必ずしも逐語的ではない。

「傘がない」
14:00 楽屋口、打ち合わせ
「帰れない二人」1973

「傘がない」はテロップも映らない。「帰れない二人」はごく一部しか流れない。

楽屋で一人ギターを持ち座る陽水。その前に小さなラジカセがある。ラジカセで「帰れない二人」をかける陽水。最初は黙って聴き、途中からテープ(CD?)の音に自分の声を重ねる。コンサート会場の準備風景。

コンサート開演
「今日は前半懐かしい曲を中心に」という陽水の言葉に、会場から歓声があがる。

「闇夜の国から」1974

ペットボトルの水を飲む陽水。そのとき会場の一部から拍手がある。「以前水を飲むだけで拍手されるような歌手になりたいと言ったことがあるんです」とその拍手の意味を言葉少なに解説する。

「なぜか・上海」1979

家族のことを話す陽水。

「夏祭り」 1972

インタビュー

「初めて昔の曲を演奏する感想は?」「良いですよ」

「白いカーネーション」1972

「(白いカーネーションは)すごく普通の詩なんです。そんな何の変哲もない詩を今の自分が歌っている不思議というか・・・」

「次の曲は最初に子供ができる前に作った。子供ができる前に作りたくないというか・・・」と紹介されたのが「海へきなさい」。何故子供ができる前にこの曲を作りたかったのかとても不思議。

「海へ来なさい」1978

「飾りじゃないのよ 涙は」1984

インタビュー。

「聴きにきたいという人達の前で歌うのは喜び。勇気づけられるというか元気がでるというか」、
「それはなかなか素敵なことだと思う」。
インタビュアー:「以前盛り上がりたくないと言ったことがある・・・」(なかなか勇気がある質問だ)
「苦笑。当たり前のことが横行していることに反発があった」、
「盛り上がらなくても良いじゃないか。グラスの底に顔があっても*1、みたいな時期はありましたね」

「招待状のないショー」1978

インタビュー。

「今は盛り上がったほうが良い?」
「盛り上がらないときにあまり失意というか落胆しないように、そういう鍛え方ができている」

ライブの中で陽水はあまり語らない。時々、思い出したように短く語る。その様子は全く自然体で、自分の言葉にくすくす笑う陽水の姿は、なんだか見ていて楽しい。

「11;36 LOVE TRAIN」2006

「とまどうペリカン」1982

インタビュー。

「娘が詩ってどうやって書けば良いの?」と尋ねた。

「長い猫」2006

「リバーサイドホテル」1982

インタビュー

「(感謝知らずの女は)どうしてそんなことを考えたんだろうと思う。今ならわかる」。「今の僕にとってこんなリアリティを持つ歌になるとは知らず作った。(笑)」

「感謝知らずの女」1972

「氷の世界」1973

「どうもありがとう。イェー」

20:10 アンコール1

メンバーの紹介。「皆様と健康とかご長寿とかを祈念して」

「夢の中へ」1973

「少年時代」1990

「みなさんありがとうございました。またお元気で。是非お会いしましょう」

インタビュー

「悲喜こもごも世田谷には色々思い出がある(笑)」

20:30 アンコール2

「おやすみ」1973

あやとり糸は昔 切れたままなのに
想いつづけていれば 心がやすまる
もう すべて終ったのに
みんな みんな 終ったのに

この曲以上にこのコンサートをしめくくるのにふさわしい曲はなかったかもしれない。

「ありがとうございました。どうぞ皆さんお元気で。さようなら」

20:45 終演

インタビュー

番組の最後に

「あなたにお金」2006

番組を視聴して一番印象に残ったのは、楽屋で陽水が「帰れない二人」に現在の自分の声を重ねていた部分だ。「もう星は帰ろうとしてる。帰れない二人を残して・・・」。「帰れない二人」という曲と、当時の陽水の唄は圧倒的なものを感じさせる。世代を超えた定番になった少年時代は言うまでもなく名曲であり、その他の曲も素晴らしいものが多いのだが、「帰れない二人」やアンコールに応えた「おやすみ」などの曲は、解説を必要としない圧倒的なものがある。

*1:知らない人にはわからないが、昔そういうCMがあった。