「熊座の淡き星影」

数日前に見たヴィスコンティの映画、「熊座の淡き星影」の余韻が消えない。ストーリーは謎めいてはいるがそれほど複雑でもない。主題は徐々に解き明かされるが完全に解説されることはない。ヒロイン、サンドラを演じたクラウディア・カルディナーレのまなざしがモノトーンのスクリーンで与える印象はおそらく巨匠が計算したものなのだろう。

この映画はやはりジャンニが主人公なのだろう。彼の満たされない想いと悲劇は深く胸に残る。ジャンニがレパルディの詩を詠唱する場面は悲しく美しい。

熊座の淡き星影よ
 再び会えるとは思わなかった
 昔と同様輝くおまえたちに
 幼いころに暮らした館の窓辺で
 お前たちを見て
 私は喜びの終焉を知る」

熊座の淡き星影 [DVD]

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