「熊座の淡き星影」
数日前に見たヴィスコンティの映画、「熊座の淡き星影」の余韻が消えない。ストーリーは謎めいてはいるがそれほど複雑でもない。主題は徐々に解き明かされるが完全に解説されることはない。ヒロイン、サンドラを演じたクラウディア・カルディナーレのまなざしがモノトーンのスクリーンで与える印象はおそらく巨匠が計算したものなのだろう。
この映画はやはりジャンニが主人公なのだろう。彼の満たされない想いと悲劇は深く胸に残る。ジャンニがレパルディの詩を詠唱する場面は悲しく美しい。
「熊座の淡き星影よ 再び会えるとは思わなかった 昔と同様輝くおまえたちに 幼いころに暮らした館の窓辺で お前たちを見て 私は喜びの終焉を知る」
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/06/24
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