虫の知らせ

朝、ネクタイを選んでいたらさわっていないのに葬式用の黒いネクタイが床に落ちた。拾い上げながら、そんなところにかけてあったかなと不思議な気がした。

会社に着いて、午前10時を少し過ぎた頃に携帯が鳴った。発信元は実家で、少しあわてながら父が祖母が亡くなったと告げた。そうだったのかと思った。

葬儀の場所も決まっていないけれど、飛行機を予約しなければいけないと思い探した。最初は、ANAのマイレージ特典航空券から探していたのだけれど、もちろん北見の女満別空港は特典航空券の対象には入っていない。JAL, ANAとも一日3便しか飛んでいない。土曜日の早朝に発って、日曜日の夜に戻る便を予約した。片道4万円もして往復割引もない。最後に祖母と話したのはいつだったろうかと考えた。僕がまだ中学生くらいのときに、北見から遊びにきて何週間か滞在したことがある。そのとき祖母が布団を打ち直してくれた姿が何故かずっと忘れられない。もう、そのときの布団もなくなったのだけれど。