システムの停止

2003年の3月に今の所属に配属されるまでは、約5年くらい放送の仕事を担当していた。デジタル放送のデータ放送のシステムやコンテンツの開発が中心で、一般の放送とは違うけれど、電波で流されるという意味では放送に違いない。

今日、BSデジタルで最初に担当したシステムの作業報告のメールがccされて僕に届いた。僕は昨年の3月にその仕事から外れているからそれ以来は当然報告も送られてきていなかったが、開発と運用をサポートしてくれたOさんが僕にシステムの停止を知らせようとしてccしてくれたのだとすぐにわかった。

開発したシステムは、ニュースをリアルタイムにデータ放送で送出するというもので、BSデジタルデータ放送の開始と同時にサービスをしたものだ。勿論前例がない(何しろ設計している段階では受信機も世の中にないわけだ)から、開発も手探りで色々苦労した。放送の初日は、センターに泊まり電波の送出を待ったし、開始後は運用(保守)も担当していたので何度も夜中に電話を受けたことがある。とても安定したシステムなので、回数は多くなかったけれど、トラブルが発生したらすぐにお客様のところに報告とお詫びに行ったこともあった。そのときの気持ちと自分がとった行動は今も僕の中に残っている。

僕は最後となる業務報告書の内容を読んだ。問題は発生していなくて、システムの時間を調整しましたとあった。その報告書のフォーマットも僕が作成したものだと思い出した。Oさんは報告のメールに「お世話になりました」と一言書いていた。僕は・・・、どうしようかと思ったけれど、しばらくしてからそのメールの受信者全員にメールを書いた。