滞在している間の衣類は持ってきているのだが、少し手も空いたので洗濯をしようと思い、とりあえず洗濯機に水をいれてみたが、排水ホースをつないでいないことに気がついた。

実家の洗濯機は東芝の二槽式洗濯機で、排水ホースは明後日解体される元の家の設置状況に合わせて最適化されている。わかりやすく言えば、「以前の設置箇所でちょうどつながる長さで切断されている」。昨日引っ越した解体の間の仮住まいの場所では全然長さが足りない。最初は延長ホースでも買えば良いかと軽く考えて、近所のイトーヨーカドーに言ってみたが、見つからないのでベスト電器に行く。そうすると、「排水延長ホース」がいくつか見つかるが、店員さんに話を聞くと、「排水ホースはメーカが同じでも機種毎に異なります」とのことで、本当はこの機会に小型の全自動に買い換えたら良いと思い提案したのだけれど結局、機種を調べてパーツを注文した。約2,000円だ。

ホースが入るまでの間、洗濯できないのもどうかということで、洗濯機を150度くらい回転させて、なんとか排水できる状態にしてみた。そして、動作試験もかねて一昨日からの衣類を洗濯してみた。二層式洗濯機を使ったのは何年ぶりだろう?二層式洗濯機は究極のマニュアル機なので、水位も洗濯時間もすすぎ回数も何から何まで自分で調整できる(あるいは「調整しなければならない」)。荷物を運んだり、箱を開いたりしたので、おそろしいほどに水が黒くなった。

僕は自分の家では全自動洗濯機を使っているけれども、実は洗濯機が洗濯しているところを見ているのが好きだ。用事が無かったり、邪魔されないときはたまに、注水して、洗濯して、排水して、注水して、すすぎ、脱水する、その様子を何も考えずに眺めていることがある。二層式洗濯機を使いながら、そのことを思い出して、吉本ばななのキッチンみたいだなと思った。

今24日の午後2時27分。北海道もあと二日だ。横浜をでるとき鞄にいれたSnortの本はまだ出番がない。

大学生の時、僕はなんとなくオーディオマニアになっていた。毎週FM fanの長岡鉄男氏の記事を読み、オーディオのカタログを集めては、大学生協や札幌のそうご電器であこがれの機種を店員の目を気にしながら触っていた。そうして家庭教師やら家の掃除、百貨店の配送といったアルバイトを続けてお金を貯めて「まずはアンプ」ということで、DENONのPMA-950というモデルを買った。確か当時の定価が15万円だ。そのころの15万円はまあそれなりの金額で、普通の人ならそこでシステムコンポを買う、だけど勿論マニアなのでそうした妥協はしない。その結果、毎日「アンプに灯を入れて、わけもなくボリュームやセレクタを操作する(スピーカがないし、音源をつないでいないので、ヘッドフォンをつけても何も聞けない)状態となった。次にまたこつこつとお金を貯めて、確か一年後くらいにレコードプレイヤーを購入した。今度は少し妥協してカートリッジと一緒だったので、ヘッドフォンでレコードを聴けるようになった。そしてさらに月日が流れて、とうとうスピーカーを買った。学生生協で現品処分になっていたテクニクスの「リニアフェイズスピーカー」のシステムだ。テクニクスを買ったのには、当時かなり薬師丸ひろ子さんのファンだった事が関係していたような気がする。そして多分そのころオーディオマニアでなくなった。

僕は大学院に行かず4年で卒業したけれど、会社の寮は2畳もないくらいの狭い部屋だったのでオーディオセット(アンプとスピーカーとレコードプレイヤー)はそのまま実家に置いてきた。そうするといつのまにか父親がAVマニアになっていた。僕のアンプを使いこなし、高級ビデオデッキを何台も購入し、レコードを購入して聴いている。スピーカーも買ったりもらったりしたものが何台もある。

ということで、枕が長いが(おいおい)今実家に帰ると我がPMA-950とKENWOODのレコードプレイヤーと、SONY TC-K71(センダスト&フェライトヘッドの3ヘッドのカセットデッキだ)とVICTORのDVHSデッキ HM-DR10000と、少し前に名機として知られた三菱電機のHV-V700と・・・その他数台の機材が残っていたりする。

この狭い仮住まいの部屋に。(T T)

とりあえずライフラインである寝る場所を確保できたので、次にこれらの機材の配線に取り組んだ。これらの機材を適切な位置に配置し、電源と接続ケーブルをつなぎ、動作を確認し、さらにそれぞれの設定内容(特にスキップ設定を含めたチャンネル登録)を確認し修正した。

分かる人にはわかると思うが、「これはすごい作業だ」。

この作業の良いところは、各装置の設定に関する手順を理解すること、パズルのような楽しさ、動作を確認できたときの喜び、だ。悪いところは、時間がかかる。あまりにいかれた手順や機能に腹が立つことがある、説明書の損失や装置の故障等で動作できないことがある、だ。

今日の結果は、

  1. TVのBSチューナーがどうやっても動作しなかった。
  2. PMA-950がtape-1以外では右チャンネルの音が出ないことが判明した。(この結果を受け入れるまでにはとてつもない手間と時間がかかっている)
  3. TVと2台のビデオの設定を全項目適切に設定しなおした。

まあ、とりあえずは良しとしよう。だけど、使っているTV(松下の画王)は平成4年(!)購入で、どうも色の出方が気になる。おそらくブラウン管の寿命の予兆だろう。勿論テレビは買い直すことができる。しかし、平成17年の今テレビを買うことは10年前にテレビを買うのとはまるで異なる。今のテレビとは10年前のテレビとは別のデバイスだ。ビデオもカセットテープと同様に急速に無くなろうとしている。それは避けられない、仕方のないことなんだろうけれども。

僕は自分で設定を行いなおした画王の画面で、世界遺産を見ながらこの日記を書いている。世界遺産は札幌では1チャンネルのHBCでオンエアしている。今日はナイター放送延長のため午前0時に始まった。僕は野球を見ないけれども勿論今日2000本安打の記録をたてた古田さんのことは知っている。とてもおしゃれな眼鏡をしていた。