朝から本格的な解体が始まった。午前中はまず道路に面した玄関と和室が「解体」された。電線の合間を器用にぬって重機が家を破壊し、廃材をつぶし、トラックに運ぶ。驚異的な技術だ。

午後になってから様子を見に行くと、作業は2階に移っていて、天井がぶち抜かれていた。廃材に混じって見慣れないお札が置かれていた。作業をしている人に聞くと、通常の一戸建ての二階の中央には地鎮祭を行ったときのお札が柱に打ち付けられているという。お札には神道の神様の名前が和紙らしき神に書かれていて、それが木の板に画鋲でとめられている。板の裏側には「昭和51年」と建築された時の年の他に「大工」として、家を建てたときの大工さんらしい名前が並んでいる。タイムカプセルみたいだ。お礼を言って、お札を引き取り家に戻り、荷物を梱包して出発だ。

千歳空港に到着。17時ちょうど発の1028便で東京に戻る。

しばらく飛行機に乗らなかったら、JALが「クラスJ」という座席を初めていたので、復路については差額の1,000円を払い試してみることにした。今日の札幌は快晴だったが、東京は雨らしい。搭乗が始まった。行かなくちゃ。

(この行以降は4/29に書き足したもの)

「クラスJ」はなかなか良かった。僕は身長が約180cmなので、標準の座席だとちょっと窮屈だ。かといってファーストに乗る身分ではないし、そんな贅沢もしたくない。クラスJの差額1,000円はリーズナブルだし、シートとスペースはラグジュアリーというよりは快適さを目指しているように思い気に入った。また利用したいと思う。

ところで以前から思っていたのだけれども、最近の飛行機は本来機内手荷物扱いにすべき荷物を持ち込んだりする人が多い。航空会社の人もあまりうるさくは言わないようだ。預けない理由は、やはり「少しでも早くゲートを出たい」ということなのだろう。それが証拠に、飛行機が着陸するとまだ完全に停止していないうちから、シートベルトを外す音が機内に響き、出口には人が並ぶ。「効率」、「時間」は勿論誰にとっても貴重なものに違いない。しかし、もしそれらが最優先になってしまうと、おかしなことになる。気持ちにゆとりを持ちたい。

僕は羽田からはいつもリムジンバスに乗る。疲れた身体をシートに任せて、ぼんやりと夜景を眺めながら横浜に戻る。みなとみらいの夜景は美しかった。