誰かの声が聞きたくなる

夕方、毎週定例の会議に参加するため品川に出かけた。いつもと場所と時間が異なるのは何故だろうかと思っていたら、この日は役員の人事が発表される日で、それを受けて打ち合わせ後の懇親会がセットされているというわけだった。

誰それが役員になった、あの人は意外だよね、など人事の裏話に花が咲く。皆とても楽しそうに話しているが、僕は興味が持てない。こうしたときは、いつも一種の寂寥感と自分はどこかおかしいのだろうかという思いがわいてくる。

会社の人事は、勿論ランダムに決まっているのではなくて、それを決めるロジックがある。そのロジックは僕が「こうだろう」、あるいは「こうあって欲しい」と考える内容とは異なっていることが、少しずつわかってきた。普段はあまり気にしなくて良いことがこうした機会には嫌でも直面させられる。寂しさを抱えながら品川駅から電車に乗って、誰かの声が聞きたくなった。