BSで録画した「金色の嘘 [DVD] (The Golden Bowl)」を見た。

てっきり昔の映画と思って見ていたら、2000年の作品ということで驚いた。それくらい不思議な年代感を持っている映画だし、悪い意味ではないが地味な作りだ。決して大ヒットしない映画。実際、Googleで「黄金の嘘」、「金色の嘘」で検索してもあまり多くヒットしない。

ただ、この映画には不思議な密度というか存在感があって、進行が進むにつれてどんどん内容に引き込まれていく。こんなに注意を引きつける作品も珍しい。内容は、一種のロマンチックスリラーに分類したいところだが、後半はこの先どうなるのかとかなりドキドキさせられ、恐怖映画の一歩手前という感じ(少なくとも僕には)。

それだけに、エンディングには納得がいかなかった。というよりは、「え?本当にこれで終わり?」という感じ。冒頭の場面を含めて思わせぶりに2度挿入されたエピソードは本線には関係しないし、アメリカ移住後の生活についても語られない。どうしてこんなエンディングになったのだろう?

いつものように見終わってからネットで検索していたら、マギーを演じたケイト・ベッキンセールの名前に見覚えがあった。誰だろう?と思ったら、以前見て感心した映画、「セレンディピティ [DVD]」のヒロインだった。この作品のケイトはすごい美人という感じではなく、昔風の一途で純粋な女性を演じているがセリフを語るときの表情はどこか不思議に人を惹きつけるものがある。マギーの父親を演じたニック・ノルマンの演技はまさにいぶし銀だ。ケイト・ベッキンセールの他の作品も見てみたくなった。