道案内

今日は10時から丸の内の三菱電機で打ち合わせがあった。少し早く着いてしまったので、丸ビル付近のブロックを散歩していた。このあたりはルミナリエの通りを含めて僕の好きな場所で、時間のあるときは用もないのによく散歩する。東京駅からたった数分歩いただけで、まるで別の街にきたようだ。皇居の近くを歩いていたら30代くらいのがっしりした男性にたどたどしい言葉で「成田のリムジンバスはどこですか?」と話しかけられた。見ると手に韓国語のパンフレットを持っている。

僕も東京駅から成田行きのバスに乗ったことはないけれど、東京駅のバス乗り場なら反対の八重洲側だと思って、男性に「バス停は東京駅の反対側にある。案内する」と英語で伝えた。本当は東京駅の改札を通ると最短だけれど、入場券を買わせるのも面倒なので国際フォーラムの手前から背の高いパシフィックセンチュリービルをぐるっと廻り、八重洲口のバス乗り場に着いた。さすがに会議の始まる時間が気になったが、ここまで来たらバスに乗せるまで面倒を見ようと思い、案内の人に尋ねると成田行きのバスは通りを挟んで八重洲ブックセンターのある通りだ。東京駅の地下街にはいり、反対側の口に出て、無事ヤンマービルの前にある成田行きのリムジンバス乗り場に到着した。ちょうどバスが停まっていたので、彼に「気をつけて」と声をかけて、握手をして別れた。

すごく急いで移動していたのであまり話をしなかったけれど、彼は3日間滞在して今日韓国に戻るらしい。日本の感想を聞いたが、ただ笑っていた。いくら小さな国でも3日間では何も見られないかもしれない。見知らぬ国に来て、一人で人気の少ない皇居の通りでたたずんでいたのはさぞ心細かったろうと思う。彼からは、「韓国にきたことがあるか?」と聞かれた。僕は、もし機会があれば(if I have a chance)、と答えた。僕は会社に戻ってから、名前も何をしているかも知らない彼が無事韓国に着いたろうかと時々考えた。

困った時に頼りになる東京駅のマップ