Hello, again

会社の帰り、横浜駅西口、旧三越があったあたりのダイソーに寄る。目的はMac miniのメモリ換装用の道具を買うためだ。

欲しいものは頭の中に明確にイメージできる。すごくひらべったくて、薄くて、プラスチック製の物体だ。だが、それをそのまま店員さんに尋ねるわけにはいかない。もし、「すみません。何かとてもすごく薄くてプラスチックか木でできたものありませんか?」と尋ねたら、あきれられるか、「何に使うんですか?」と聞かれてしまうだろう。間違っても、にっこり笑って、「Mac miniですね」とは言わないだろう。

ダイソーはいわゆる100円ショップだが、ここにあることは実は今まで知らなかった。Mac miniを開いた先達の中にここで道具を買った人がいて立ち寄ったものだ。フロアが2つで、とほうもなく色々なものが売っている。通路は狭くて、お客さんが入れ替わり立ち替わり店内を歩いているからゆっくり選んでいることもできない。なんとかスクレイパーと紙製のコースターを買った。コースターは、スクレイパーで開いたMac miniの間に挿入するためのもので、先達はプラスチックのナイフを使っている人が多いようだ。

家に帰ってから作業にかかった。職場のTさんから借りたスクレイパーの先をやすりで削ってあるわけがわかった。先端が相当薄くないと差し込めないのだ。自分が買ってきたものは厚すぎて入らない。注意深く先端を挟み込んで、突き当たるまで挿入して色々やってみた。結構強い力をかけてみたが、どうにも開かない。Mac miniスクレイパーが刺さった状態でしばらく悪戦苦闘し、あきらめて抜いてまた挿して、という作業をしばらく繰り返す。一体どこがどうなって開くのか大変不思議だったが、そのうち片側がほんの数ミリだけ持ち上がった。すかさず買ってきた紙製のコースターを挟み込んでさらに色々いじってみるが、なかなか開かない。

側面の一部が数ミリ持ち上がったことにより、「もはやメモリ増設をあきらめたとしてもこのままでは終われないな」ということで、決意が高まった。次第に大胆になりスクレイパーを挿し続けているうちにやっと要領がわかってきた。要するに思い切って深く差し込んでこじあけないといけないのだ。それまでは差し込み方が浅いからツメが外れず膠着状態になっていたと思われる。スクレイパーの入れ方も、最初は「Mac miniさんすみません。ちょっと失礼します」とばかりに本体に水平にいれていたが、途中から大胆に「開かんかい、ごらぁ」とばかりななめにとがった角の部分をぐいっと差し込んで力をいれてこじ開けるようにしたらやっとふたが外れた。先達の記事では側面、側面、最後に背面という順に開けると良いと書かれていたが、側面のひとつが持ち上がった状態では残りの(対面の)側面はぴったりとくっついているからスクレイパーを入れにくい。自分は、側面、背面、側面という手順で開いた。作業を開始してからふた?を外すまでの所用時間は約1時間弱。

メモリの交換自体は何も難しくなかったが、ふたをつけるときに少し苦労した。背面の部分がぴったりとしまらないのだ。仕方なく一度閉めたものをまたこじあけて、閉めるという作業を2度ほど繰り返してやっとおさまった。一度開けてしまうと、後は30秒もかからないで開けられるようになった。買ってきたスクレイパーは2枚差しで使うつもりだったが、単体でも挟まらない厚さなので結局出番がなかった。紙製のコースターはうまく役だった。外した後はほとんど残っていなくて、もしかしたらAppleのサービスの人より上手ではないかと思うほどだ(笑)。

結論: 「Mac miniのメモリを換装するために必要なもの」

  • 先端のすごくとがったスクレイパー状の道具(必須)
  • 勇気(必須、多ければ多いほど良い)、「しょせん全ては小さなこと、失敗したらそのときはもう一台買えば良い」と自分に言い聞かせよう)
  • 開きはじめたときにはさむ金属製ではない何か(プラスチックのナイフ、紙製のコースター)
  • 先逹の経験談(内容によっては逆効果)

1GBに増設したminiは、心なしか早くなった気がするが、それほど劇的ではない。でもこれ以上増設できない状態なので、とにかくこれで一段落だ。引き続きClassic環境をインストールした。miniの上ではじめてClassic環境を動かして、以前「Classicは本当のOS9とは違う」と言われた意味がわかった気がした。OS Xの上で動いているOS9はどこか本当のOS9のエッセンスを抜かれている気がする。

OS XWindowsファイル共有をスタートして、これまでWindowsでためたiTunesのデータファイルをネットワークでコピーする。便利と言えば便利だが、つまらないといえばつまらない。コピーを待っている間、Lombirdを取り出してみた。Happy Macが現れて、アイコンパレードが流れる。「ゆっくりやろうよ」そう言われているような気がする。miniを買う前にLombirdにOS9用のVNCサーバをいれてみた。WindowsVNCクライアントからつながるが、「つながるだけで力つきて」いて、とても何もできない。そんな時代遅れで遅いLombirdの上で、ちゃんとPhotoshopやIllustoratorが動く。手品みたいだ。