小さな自分

昨日夜更かしをしたので今日は早く退社した。東京駅に着いたのは午後10時過ぎ。この時間帯は東海道線は10分間隔で走っていて、一本待てばほぼ東京駅から座ることができるので、いつもそうしている。今日も停車中の電車に乗らず反対のホームに並び電車を待った。それほど混んでいないので座ることができのだけれど、僕の後から乗ってきたお年寄りの夫婦が座ろうとしたとき、僕の横の座席ひとつしか空いていなかった。背の高いご主人が奥さんに座席につくよう促し、僕の右隣に座った。ご主人は背が高くしっかりした方だが年齢はおそらく70歳以上だろう。

とっさに色々な考えが頭をよぎった。席を立って、二人に並んで座ってもらおうかと思った。だが、疲れているので立って横浜まで帰るのは辛い。一本見送るとさらに10分以上待つことになり、帰宅が遅くなる。もし二人が疲れていて座りたいなら反対のホームに行き次の電車を待てば確実に座れるから、おそらく座らなくても大丈夫のだろう・・・。そうして考えている間にも乗客がどんどん乗り込んでくる。僕の前にも何人かが立つ。そして僕はタイミングを失ってしまった。

確かに、反対のホームに行けば座れるのに座らないのは、座らなくても大丈夫ということかもしれないが、もしかしたら急いでいたのかもしれない。また、急いでいようが急いでいまいが、自分より高齢なお二人に僕は快く席を譲ってあげるべきだった。電車が東京駅から新橋、川崎、そして横浜に到着するまで。それができなかった小さな自分を悔いた。そして電車を降りてからもいたわりあっていた二人のことを思い出して胸が痛んだ。