"Man in the Mirror"

家の近所のTSUTAYAの音楽DVDのコーナーにマイケル・ジャクソンムーンウォーカー [DVD]が一本だけ置いてあって、気になっていた。僕が行くたびに貸し出し中で「どんな人が借りているんだろう」と思っていたが、最近在庫が1本追加されたので借りてみた(相変わらず1本は貸し出し中だ)。

このDVDはmoonwalkerをメインに、過去のマイケルの作品を組み合わせて構成されている。moonwalker以外はほんのさわり、一部しか流れない。BADのクリップ*1については、理由はわからないけれど何故か本人ではなくて子供達が本物と同じ内容を演じた作品がフルコーラス含まれているが、それ以外はごく一部しか出てこない。それで90分以上の大作になっている。マイケルはそれだけ仕事をしたということだ。

90分の作品はマイケル・ジャクソンという人物の極めてたぐいまれな資質と才能を感じさせるには十分だが、それを伝えるためにはあまりに短い。僕が一番印象に残ったのはオープニングのコンサートの映像だ。屋外の特設会場でマイケルが、"Man in the Mirror"を歌う。歌い、踊るマイケルの存在は奇跡のようだ。「うまい」とか「素晴らしい」というものではなく、圧倒され、感動を覚える。映像はブルーの服とBADのクリップの黒い服の2種が混在している。異なる時に異なる会場で撮影されたものを順に組み合わせて編集したようだが、動きは見事なまでに同じだ。この曲はどちらかというと地味な曲だが、このDVDで歌うマイケルと表示される歌詞を見て初めて、曲に込められたメッセージを感じることができた。"Man in the Mirror"とは「鏡の中にいる男」、つまり鏡を見ている自分自身で、その自分に対して語り鼓舞する。"Make that change(変えてみようよ)"という言葉で曲が終わる。

かつてMJの曲やクリップに触れた全ての人にこのライブの映像を見て欲しい、そう思う。

ムーンウォーカー [DVD]

ムーンウォーカー [DVD]

*1:マイケルは「クリップ」という言葉を使わずに「ショートフィルム」と呼んでいたとあるパッケージに書かれていた。