ライフ・イズ・ビューティフル

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]

雑誌かテレビのバラエティでストーリを知ってからちょっと引き気味になっていた作品を今頃になって見てみた。反戦ものコメディというラインを予想していたが、実際は全然違った。すごく難しい道をたくみにドライブして終着点まで到達している、そんな印象を受けた。ときにシリアスで、ときにコミカルで、ときにナンセンスで、この映画には色々な要素がちりばめられているがどれにも偏ってはいない。一歩道を間違えるととんでもない駄作になったであろうものをよくぞこんなにきちんと一本の映画としてまとめられたものだ。グイドを演じたロベルト・ベニーニの演技は一種神がかり的ですらある。おそるべき俳優と思ったら、監督もかねていたということでちょっと納得した。超ウルトラCクラスの映画だと思うが、結局のところ主題がなんであったのか疑問に思ったし、「戦車」の伏線とラストのハッピーエンド的な演出には少し違和感を覚えた。グイドが連行されるシーンが心に残る。