洗濯機の修理

以前も同じことがあったような気がするのだけれど、ファンヒーターの修理を見ていてうらやましいと思ったのか、今度は洗濯機の調子が悪くなった。風呂水を使って洗うためのポンプがたまに作動しなくなってしまった。毎晩、寝る前に洗濯を予約するのが日課だが、朝起きてお風呂の残り湯がそのまま残っているのを見るとがっかりする。大げさに言えば心が痛む。

購入したときに5年間の延長保証を購入したが、それは昨年の12月に切れていた。「もう少し早く壊れていれば良かったのに」と思ってみてもしかたがない。修理を依頼して、今日きてもらうことになった。

修理の方は若い男性で、到着するとまず症状を確認した。ポンプは(ちゃんと)動かないでいてくれた。「どうなんでしょう?」と聞くと、「ポンプかポンプを制御する回路、コンピュータなんですが、がおかしいのかもしれませんね」との返事。「修理するとすると、それらを交換でしょうか?」「そうなります。パーツは両方とも持ってきました」「いくらぐらいですか?」緊張の会話(嘘)が続く・・・。

「ちょっとお待ち下さい」と言って、修理の人はパーツの型番と価格を調べ始めた。「少しだけ、値引きして・・・、1万3千円です」と言い終わると、鋭くこちらに視線を投げかけてきた。「どうしますか?」緊張の一瞬だ(嘘)。

もともとそのくらいはかかるだろうと思っていたし、それ以上かかっても修理するつもりだったが、せっかくの緊張感なので、やや間をおいてから、「わかりました。お願いします」と言った。だいたい、修理のために家にきてもらっている時点で、何も作業せず、何も修理しなくてもその半分くらいは確定しているのだ。今回のようなわかりやすい症状であれば、おそらくパーツを交換すれば再発もしないだろうと、1マイクロ秒くらいの間に考えた。

本当はいつものようにずっとそばに座って作業を見ていたかったのだが、やりにくかったのか、「あ、何かあればこちらでお知らせしますから」と言われてしまって、分解やパーツ交換をつぶさに観察できなかった。怒られない程度に離れて後ろから見ていたが、狭いところに設置された洗濯機をとても器用に分解する。ポンプは、給水パイプの入り口の直下に設置されていた。取り出されたポンプをそっと手を伸ばして手にとって眺めてみると、特に外傷はないが、内部は結構汚れていた。5年間も毎日使っていたからまあ無理もない。どうしてかはわからないが、「コンピュータ」は交換しないことに決めたようだ。

いつものように色々質問してみた。「こうした故障は多いですか?」「いえ、珍しいです」「初めてですか?」「いや、ポンプの交換自体はありますが、この症状は珍しいです」「どういう故障が多いですか?」「一番多いのはホースですね。ホースに針の穴くらいの穴でも空いているともう駄目です。それだけで吸い込みません」「ポンプですからねぇ(言いながら実におろかなつっこみだと思う)」「ホースの差し込み口を頻繁に出し入れして、亀裂をいれたお客様もいました」「なんでそんなことしたのでしょうね?(余計なお世話的質問だ)」「やはりポンプはこのくらいが寿命なのでしょうか?(うるさい)」「(作業の手をとめてこちらをじっと見て)いえ、そんなことはありません。使われ方によりますが、使われ方は私たちにはわからないので」・・・意味もなく感動する。(T T)

費用は結局、消費税をいれて14,280円だった。作業は1時間かかっていないくらいだから、時給はなかなか良いが、直してもらってこちらも大変ありがたいし、風呂水の残りを毎日捨てなければいけない精神的な苦痛を考えると安いものだ。修理の人は帰り際「接着剤をつけているので、明日までは洗濯しないでください。多分夜だったら大丈夫ですが」と言って帰っていった。今日は10件もまわるそうだ(そんなことまで聞くなよ>自分(笑))。今回修理した洗濯機はナショナルのFD-8001。どこかのパソコンみたいな型番だ。勿論現在は生産されていない。