無自覚の借金の罠(前編)

ATMで通帳を記帳したら金額の数字のアスタリスクが赤字で印字されていて、その色に驚いた。なんだろうと考えたら、昨年の暮れ、何かの支払いがあるのを失念していて銀行口座の残高が4万円ちょっと不足してしまったということがわかった。不足した分の金額が赤字になって、その次の行に「当座」という分類で同じ金額が「入金」されている。引き落とし自体は行われたらしい。

あとからわかったことも含めると、こういうことだった。

  • 記憶にはないが、口座を作ったときに「予約型」カードローンのオプションを選択していたらしい
  • それは口座の残高が不足すると、自動的に融資をしてくれる。僕の場合は上限が10万円だった
  • 融資は当然ながら返済しなければならない。年利18%で、毎月ある規則に従い口座から一定額ずつ利息とともに引き落とされる
  • 数日してから「カードローン通帳」という通帳が送られてきて、そこに融資、利息、返済が記載される

引き落としが滞らなかったのはありがたいが、無自覚で借りた金額を早く精算(返済)したいと思い、銀行に電話をかけた。当然すぐに返済できるだろうと思っていたが、そうではなかった。担当の方は、「ええと」と少し間をおいてから話し始めた。「利息の計算が必要で、それには銀行の担当者に電話をかけて・・・」。その始まりを一部を聞いたところで、かなり面倒そうなことがわかり、ちょっと気持ち悪いけれどそのまま放っておくことにした。利息と言ってこのくらいの金額だ。

「カードローン通帳」が届いてから、「端数」は仕方ないけれど、万の部分は返済しておこうと思い、カードローン通帳を使って、ATMで返済(返済)した。操作は全く普通の口座と同じだ。ところが、このときにちょうど自動返済が行われたらしく、借金を1万円未満にとどめておくつもりが、完済してさらに金額があまってしまった。ここからがこの話の本題だ。