松下幸之助さん

10年くらい前になるか、なんとなく松下幸之助さんの書いたものを読み始めた。文庫関係は主要なものはほとんど読んでいると思う。内容はとても味わい深いが、文章はとても読みやすく、抵抗なくスムーズに読める。難しい文章や読みにくい文章を書く人は多くいるけれども、こうした文章を書く人はそう多くはない。

今日の読売新聞の広告のページに23年間松下幸之助さんの秘書を務め、現在はPHP総合研究所社長をされている江口克彦さんのコラムがのっていた。

幸之助は、自分の頭の中で考え考え続ける人で、思いつきで話す人ではありません。1972年に出版した「人間を考える」の編集作業は、それを象徴しています。

幸之助の話をテープに吹き込み文章に起こし、一行目から最後の行まで私が読み、幸之助がそれを聞きながら推敲を繰り返すこと、実に60回に上り、半年がかりでした。