衣替え

まだ暑い日が続くけれども寒くなる前にと思い衣替えをした。衣替えと言ってもクローゼットの中のスーツを春、夏ものから秋、冬ものに入れ替えるだけで、スーツもそんなにたくさん持っていないから簡単だ。

衣替えをしているときに見慣れないスーツがあった。どう見ても自分のものではなくて、何かの間違いでまぎれこんだのかと思ったが、イニシャルを見ると確かに自分のイニシャルだし、袖を通すと着られるからやっぱり自分の服に違いはない。いつかわからないけれども、買ったまま着ていないスーツのようだ。もったいないから着てみようかと思ったけれども、なんとなく好きになれない。とりあえずまたクローゼットに戻しておいた。

僕は着る物やおしゃれには全然こだわりがない。肌に身につけるものはコットンでないといけないだけだ。以前勤務先が茅場町だったときには、通勤途中の日本橋さくら通りにあったお店で会社に行く途中に衝動買いをしたりしていたけれど、そういえば今の豊洲に通うようになってからは何も買っていない。スーツは気分で変えるけれども、気がつくといつも同じ、昔買ったものを着ている。よれてきていたりするものもあって、見た目にはもう少し良いものもあるけれど、自分が着たときの感じが大切だと思っている。着ていて気を遣わない、気にならないスーツはそう多くないし、それを見つけることは難しい。服を気にするような着方は邪道だと思っている自分だけれど、痛みが気になり始めたら、着るときや扱うときに少しだけ気を遣う。あまりひどくなったら、心の中でありがとうと言ってゴミに出す。そろそろ新しい服を探しにいこうか。