白いiPhoneを買う

金曜日の朝、東海道線の電車のつり革につかまりながら何気なくまわりを見ると、自分の正面にいる男性二人がiPhoneを使っていた。あまりじろじろ見るのは失礼なので、画面に何が表示されていたかまではわからないが、二人ともかなり慣れた様子で、画面のタップも板についている。一人の人は、本体が白くて、「白いiPhoneもあったんだ」と思った。

たった、それだけの出来事だけれど、それから何故かiPhoneのことが気になり始めた。誰かが自分に「iPhoneを買わなくちゃいけないよ」と言っているような気がした。朝、起きてすぐに横浜駅西口のヨドバシカメラに行って、買ってきた。「どうせ買うのなら」と思って、容量は16GBにした。色は・・・、今までの自分なら間違いなく「黒」だけれど、今回は電車の中で見た「白のiPhone」が気になったので「白」にしてみた。

自分のものになった白いiPhoneは、まだ数時間しか触れていないけれど、既に自分を驚かせている。これを携帯電話と呼ぶのは間違いだろう。iPhoneを知る人と知らない人、iPhoneを使っている人と使っていない人には、目に見えなくても何か違いができるだろうと思う。そんなことを感じさせるようなものはそう多くはない。iPhoneは、ちょっと見ると誰にでも簡単に使えそうだ。でも本当に使うのは日本製の携帯を使うよりも手強そうだ。iPhoneには、日本の携帯電話にあるような分厚いマニュアルは同梱されていない。設定はきわめて巧みに(あるいは戦略的に)配置されていて、それをたどるのは手こずりそうだ。でも、それを調べることすらもiPhoneを使う楽しみに違いない。