トイレの修理
1ヶ月くらい前にトイレの調子がおかしくなった。症状としては、水を流した後でなかなかタンクに水がたまらず、「シュー」という異音がする。詳しく書くと長いがこんなふうに対応した。
- 書店に行ってDIYのコーナーでトイレの故障について書いた本を探してみた
- 給水を止めて、トイレタンクの中を開けて自分で調べてみた
- 最初は「ストレーナー」と呼ばれるフィルタの部分を外してみた
- 次に「ダイヤフラム」と呼ばれる一種の弁を外してみた
- 「ダイヤフラム」が怪しいとにらみ、パーツを外してビニール袋に入れて、新横浜のホームセンターに同じパーツがないか探しに行った
- 見あたらないので、家を建ててもらったときの業者に依頼した
- 業者がきてくれたが、「確かにこのパーツが怪しく、それを取り寄せることはできるが、直るかどうかわからないから、メーカ(TOTO)に連絡して修理してもらったほうが良い」と言われて、手配をお願いした
で、今日がその修理の日となる。
修理のおじさんをトイレに案内してから、ちょっと居間にものをとりに行ってトイレに戻ると、おじさんは当たり前のような顔をして、「終わりました」と言う。3分もかかっていないというか修理しているところを見る時間すらなかった。
もちろん、おじさんにどこが悪かったかを聞いてみた。原因はやはり「ダイヤフラム」で、修理はそれを交換したということだ。いろいろ聞いてみた。
自分 : ゴムの経年変化でしょうか? おじさん: ええ、そうです。 自分 : 建築業者の方の話では、トイレはほとんど壊れることはないということでしたが? おじさん: いや、消耗品なので何年か経つと駄目になります。こちらは築何年ですか? 自分 : 8年目です(こっちが質問されちゃったよ)最初はフィルタのほうを開いてみたのですが・・・ おじさん: トイレを設置すると大量に水を流しますが、まれに土砂などが残り詰まることがあります。でも多くはありません 自分 : そうですね。何も詰まっていませんでした おじさん: ・・・きつかったでしょ? 自分 : そうなんです。なかなか開きませんでした おじさん: あれはコツがあるんです。でも自分たちでもたまに壊してしまうことがあります おじさん: きついのはゴムの部分が硬化するからですが、あそこを変にいじると大変なことになります(じっとこちらを見る) 自分 : ど、どう大変なんですか?(どきどき) おじさん: 外したフィルタを元に戻せなかったり、あるいは外し方を誤ると部品が破損します 自分 : そうしたらどうするのですか? おじさん: もう丸ごと替えるしかありません 自分 : フィルタを外すときに、少しフィルタに傷をつけてしまったのですが大丈夫でしょうか? おじさん: 大丈夫です。実はあのフィルタは使っているうちに「水で溶けて」しまいます 自分 : そうなんですか! おじさん: ええ(微妙に笑顔) 自分 : 今回、多分これが原因だとは思ったのですが、ホームセンターに同じパーツがありませんでした おじさん: そうでしょう。「TOTO」の看板がついたお店かインターネットでも購入できます 自分 : でもそれには型番がわからないと駄目ですね おじさん: そうなります 自分 : 今回の修理は、この専用パーツを交換したわけですが、これってTVでコマーシャルをやっている業者さんに頼んでも解決しませんよね? おじさん: (じっとこちらを見つめながら)ええ 自分 : 多分そうだろうと思って頼まなかったのですが、もし頼むとどうなるのでしょう? おじさん: ひどいときにはトイレを丸ごと交換することもあるようです 自分 : え!それってすごく高価なのでは? おじさん: これと同じタイプだと30万くらいですかね 自分 : (絶句)
今回の修理は、技術料が4,200円、出張料が2,500円、パーツが2個(2Fのトイレも交換してもらった)で1,320円で、消費税をいれると計9,807円だった。今度同じ故障が起こったら自分でパーツを買ってきて直せる。パーツの型番はTH405Sで、名称は「ダイヤフラム」と言う。これはTOTOの製品なので、他のメーカだと当然異なる。
業者がトイレをまるごと交換してしまいその費用を請求されるというのは、おそらく最悪のシナリオだが、こと「修理」ということで言えば、問題は「ダイヤフラム」の劣化にあり、その部品を交換する以外には方法はないわけで、メーカ以外の業者に頼んだ場合の「ましなシナリオ」は、業者がこのパーツを使って交換してくれる以外にない。それは、今回メーカに直接依頼するより高くつくだろう。一番良いシナリオは何だろう?それは、この記事にある情報を見て、自分でパーツを取り寄せて交換することで*1、それなら1,000円ですむ。
次のページに全ての情報があるけれど、問題はここにたどりつくのは容易ではない。
- ピストンバルブ・ダイヤフラムの交換(自分の場合は、下の「レスティカ」のケース)
問題の「ダイヤフラム」は、上のリンクの「詳細」の図を開いても、それがどの部分かは一度修理してみないとわからないだろうと思う。とても小さくて、そして妙に華奢なつくりだ。確かに何年か使っていると絶対壊れそうな気がする。いろいろ調べてみるとこのパーツは使われ始めたのがちょうど8年くらい前からのようなので、日本全国で少しずつこうした症状が起こるに違いない(そう考えるとなんだか気持ちが暗くなる)。もう少し丈夫な作りにはできないものかと考えた。
帰り際、おじさんは面白いことを教えてくれた。
「これ、中がずいぶん黴びてるでしょ?これはね、洗浄剤のせいなんです。洗浄剤は水に溶けてしまえば問題ないんだけど、どうしても空気と接してしまう。そうすると湿気があるからカビが繁殖してこうなります。」トイレのタンクのふたなんて、故障でもしなければ開けることはない。洗浄剤を使っている人は、ちょっと外して覗いてみると良いかもしれない。
自分で修理してみようと思う人は、オレンジ色のパーツ(それがストレーナーだ)を取り外したくなると思う。左にひねって、抜くような機構になっていて、パーツには「開けるのが堅くなっていることがあります」と書かれている。本当にここが詰まることも皆無ではないだろうけれども、ここはメーカの保守の人が、「さわらないほうが良い」と言っているのでさわらないようにしたら良い。ダイヤフラムを抑える白いプラスチックのリングもまた、長年使っていると相当堅くなっていると思うが、こちらはよほど運が悪くない限りは自分で開けられて、ダイヤフラムの交換はただ装着するだけだ。素人でも修理(メンテナンス)ができるところと、そうでないところがわかりやすくなっていればいいのに。
参考
*1:それこそがこの日記を書いている理由に他ならない。