鞄を変える

通勤に使っていた鞄の型が崩れてしまい長年の協力に感謝しながら廃棄したのは数ヶ月前のことだった。それ以来、外出する度に良い鞄を探していたが、なかなか思うようなものが見つからない。気にいらない鞄を使うのも嫌だったのでTimbuk2をしょって会社に通っていた。

今までいろいろな鞄を使ったけれども、どんな鞄もノートPCを入れて使っていると長持ちしない。ノートPCを持ち歩くならTimbuk2のようなリュックが良いというのが自分の結論だ。

最近は、リュックを持ち歩く会社員も多いのでこのままずっとTimbuk2でも良いと思っていたけれど、機会があって久しぶりに「ビジネスマンらしい」鞄を持つことになった。今度の相棒は、ゼロハリバートン、ただしアルミではなくてナイロンタイプだ。ゼロハリは有名だけれど、ナイロンタイプのゼロハリを持っている人は街でもそう見かけない。それは「鞄は持つ人を表す」と考える自分にとっては重要なポイントだ。

新しい鞄とのつきあいは、いつも不満から始まる。鞄に求める条件は揃っているけれど、それを全て満たす鞄なんて存在しない(なので何ヶ月も買えないことになる)。だからどんな鞄を持っても、「ここがこうなっていればなぁ」とか「どうしてこんなふうにしたんだ」となる。それは、たとえば、かなり大きな鞄なのに二つの鞄をくっつけたような構造になっていて、大きなものが入らない、とか、PCを持ち歩くときに必要なポケットがないとか(ガジェット用のポーチのようなものは付属している)、何も入れないのに1.6Kgもあって重い、という感じだ。ゼロハリ君は、ただ黙って不満を聞いている。

でも、「馬には乗ってみよ」「人には添うてみよ」という言葉があるように、実際につきあい始めると見方は変わる。欠点だと思ったところはあまり気にならなくなるし、最初は良いと思わなかった美点が見えてくる。我がゼロハリ君も2週間くらいつきあって、ぐっと良い感じになってきた。存在感があるし、個々のパーツはとても良いものを選んである。自分のスーツより高級そうな裏地は、良い光沢を放っているだけでなく、ゼロハリのロゴが織り込まれていて、無駄にきれいでお洒落だ。鞄本体が重量級なので、ちょっとものをいれると相当重くなる。MacBookを入れるには勇気が必要だが、そのときはTimbuk2に交代してもらおうかなと考えている(と言いながらMacBook Airがあれば良いかと思ったりして)。