昔の仕事

打ち合わせが終わって席に戻ると以前の所属の同僚からメールがはいっていた。お客様から地上デジタルのデータ放送のセーフティゾーンについて聞かれて、以前僕がNHKさんのシステムを担当したのを思い出して質問してきたようだ。

放送の仕事から離れてもう数年たつから最初は「セーフティゾーンって何だっけ?」と思って、でもすぐに思い出した。データ放送のコンテンツはBML(Broadcast Markup Language)というXMLの言語で記述する。画面のサイズは960x540と決められていて、そこに色んなオブジェクトを配置して、動的なふるまいをJavaScriptに似た言語で記述するが、画面のサイズ一杯はTVの画面では表示されない。それをどこまで使うかがセーフティゾーンだ。

セーフティゾーンの設定については、確かARIBの規格書(STD-B24)に記述されていたような気がしたし、少なくともSONY製のBMLブラウザにはセーフティゾーンの表示があったが、実際の放送ではそれよりも広い領域を使っていたことを思い出した。できれば数値で回答してあげようと思い、昔実際に使ったソースを探して見たけれど残念ながら書いていなかった。

昔のメールを読み、昔書いたソースとコメントを見て当時した仕事を思い出した。小さな案件だから協力会社のEさんと二人で全てを行った。システム自体の開発は1ヶ月くらいでできたけれど、最初に流したBMLコンテンツの開発は半年以上かかった。2000年1月のオンエア開始に間に合わせるために何度も渋谷の放送センターに行き、プログラムが思ったように動かなかったときは二人で重い気持ちをひきずってクリスマスで華やぐ渋谷の街を通り過ぎて駅に歩いた。ちょうど今ごろだったなと思い、ずいぶんと苦労をさせてしまったEさんが今どうしているかと考えた。