死者の音楽

StingのFields of Goldという曲から始まるEva Cassidyのアルバム、Songbirdを借りて聞いている。イントロのハミングが美しい。この曲を歌っているEva Cassidyは数年前に亡くなっていて、そのことを考えると少し不思議な気がする。

今年はドラマの主題歌に採用されたせいかQueenのアルバムがベストセラーになったと少し前の新聞に書いてあった。僕はQueen、というかフレディ・マーキュリーが現役だったときに彼らの音楽を聴いていた世代で、当時も曲もフレディのボーカルも素晴らしいと思ったけれど、結局一枚のアルバムも買わずに今に至っている。アルバムは持っていないが主要な曲は耳にしているから、リバイバルで流れるQueenの曲はどれも懐かしいのだけれど、それを聴くとどこかそれが死者の音楽だという気がしてならない。何かの翳りのようなものを感じる。

僕が聴く音楽は勿論今生きているアーティストのものに限らないから、Queen以外にも多くの「既に亡くなったグループの音楽」を聴くけれど、Queenの曲を聴くときのような翳りを感じることはあまりない。例えば、カーペンターズのカレンのClose to YouやリパートンのLoving Youといった曲は大好きな曲だがそれらを聴いても感じない。12月に射殺されたジョン・レノンの曲も同様だ。

こうした違いはどこからくるのだろうかという事を考えながらSongbirdを聴いている。タイトルとなっているSongbirdという名前はとてもきれいな名前だと思う。