「月へ帰りなさい、君」

ダンス・ダンス・ダンスの上巻を読み終えた。

初めてこの本を読んでから10年以上も経っているというのに、僕はずっと「月へ帰りなさい、君」という言葉を覚えていた。読み直してみたら、実際のセリフは「月へ戻りなさい、君」だった*1。記憶違いかなと思っていたけれど、その後の「僕」の回想部分にはこう書かれていた*2。実際には、ガールフレンドが言ったのは「月に戻りなさい、君」なのだけれども。

「月に帰りなさい、君」と言って僕のガールフレンドは去っていった。

このガールフレンドは、他にも「とにかく時々、月にいるみたいに空気が薄くなるのよ、あなたと一緒にいると」のような「僕」がへこみそうなことを言っている。僕はこのセリフを読むと自分が言われているような気がする。多分昔読んだ時も同じ事を感じていた。

*1:p23 講談社文庫版 ISBN4-06-274904-1

*2:p202