ThinkPadの修理

僕がここ(茅場町)にきて、Linux関連の仕事をするようになったのは、2003年の春からだ。その年に購入したThinkPad X31LCD開閉ラッチの左部分が破損してしまったことに気がついて修理に出していた。

このThinkPadは2672-JHJというモデルで、メインで使っていた約2年の間、毎日鞄にいれて持ち歩いていた。そのころはビジネスシヨウを含めた講演が多かったし、論文も今よりたくさん書いていた。講演や社外でのプレゼンテーション、論文の発表というときにPCの調子が悪ければ全てが台無しになる(勿論バックアップのPCは必ず持参する)。ノートPCは僕にとって、大工さんの大工道具のようなものだから、常に状態を確認し、信頼して動作できるようにするために毎日必要のないときにも持ち歩き、使っていた。

その後もノートPCを購入し使い分けている。スペック的には勿論後から購入したもののほうが良いが、環境を完全に移行するのが大変だし、手になじんでいるので、ずっと古くなったX31を使い続けていた。ThinkPadヘビーデューティな使い方によく耐えてくれていたが、さすがに毎日持ち歩く使い方で2年はきつい。ごく最近、X32に環境を移して、ラッチが破損したのはそれから間もないときだった。

スペック的には当然新しく購入したX32のほうが早い。ところが、実際に操作していると奇妙なことに古くから使っているX31のほうがどこかスムーズに動作する「ような気がする」。ハードディスクを流体軸受け7200回転に変えたX32と4200回転のX31なのに、古いX31のほうが「手になじむ」のだ。これは勿論錯覚なのだろうと思う。多分ベンチマークをとると当然X32のほうが早いに違いない。だけど、この「手になじむ」感覚だけは確かなものだ。

少し迷ったが、故障したまま引退させるか(持ち歩かないで)別用途に使おうと思っていたX31を修理に出すことにした。症状の欄に「長年使用しており、本体ケースにゆがみを生じており、ラッチの交換(左右)と可能であれば本体ケースの交換をお願いしたいと思っています」と書いた。その修理が終わり、今日職場にX31が戻ってきた。僕のThinkPad X31はラッチ(HINGE R/L 27L6744)とベースカバー(BASE COVER ASM 67P1427)とHDDカバー(HDD Cover 13N5450)が交換されて今目の前にある。勿論気のせいかだが少し照れているように見える。もう少しこのThinkPadと仕事をしようかと思う。