HARDOFFの閉店

僕がよく買い物をする市民生協の2Fは以前家電量販店のワットマンが入っていた。そのお店を含めて、自宅から自転車で10分くらいの距離に2件のワットマンがあったのが、最初に生協の2Fのお店が閉店になり、しばらくしてもう一つのお店も薬屋さんになってしまった。僕が家電製品が好きだからかもしれないけれど、家の近くに家電のお店があるのはとても便利だし、実用という観点を離れてもどこか安心できる。だからお店がなくなったときは大変寂しかった。

生協の2階のワットマンは、閉店後中古品の販売と買い取りを行うハードオフになっていたのが、今日生協に買い物に行くとエスカレータがとまり、入り口に看板が立っていた。「3月19日をもって営業を終了します。長らくのご利用ありがとうございました」と書いてある。

ハードオフには色々なものが置いてあった。ビデオ、カメラ、ゲーム機、パソコン、モニター、ソフト、ゲーム、衣類、生活雑貨・・・。僕は売ったことはなくて、買ったのも少なかったけれど、店には常にお客さんがいた。カウンターには持ち込まれたばかりの商品が置かれていて、店員さんが清掃をしていたものだ。僕は3月17日にNintendo CubeのSビデオケーブルとAppleの1ボタンバスマウス(実は買ってもつなぐ装置がないのだがきれいだったので何となく買ってしまった)とDREAMCASTのキーボード(これは頼まれものだ)を買った。いずれもジャンクで315円だ。多分そのときお店には張り紙があったのだろうけれども気が付かなかった。それが僕のそのお店での最後の買い物になった。

家電が安くなったのはうれしいけれど、これだけ安くなるとメーカも販売店もあまり利益が出せないのだろう。まして、価格の情報はいながらにしてもPDAでも瞬時に調べられる。きっと昔は電気屋さんと地元の人の間には、ある種のコミュニケーションや信頼関係があったのだろうだけれども、今はすっかりデジタルになってしまった。銀行が淘汰されつつあるように、量販店も淘汰されていくしかないのだろう。ものはどんどん安くなって、ちゃちになって、壊れても誰も修理をしようとしなくなる。何かがどんどん壊れていく。

ワットマンは良いお店だった。僕はそこで電話機や扇風機や時計を買った。今も店内の雰囲気や売り場の様子を覚えている。そこで働いていた人たちは今どうしているのだろうと時々考える。ワットマンもハードオフももっと利用してあげれば良かった。