マイブーム

先週の土曜日、いつものようにパン屋さんに行った。僕が行くパン屋さんの隣は学習塾で、1ヶ月くらい前にその隣にコーヒー豆を売るお店が開店した。その店が開いていたので入ってみた。このお店はただコーヒー豆を売るのではなく、その場で焙煎してくれる。しかも焙煎を待つ間にコーヒーを飲ませてくれる。コーヒー豆はだいたい1000円くらいだから、そんなことをして商売になるのかちょっと心配になってしまう。

僕はいつも豆で買って、飲む都度手回しのミルで豆をひき、コーヒーメーカでコーヒーを淹れる。お店の方においしいコーヒーの入れ方を聞いていたら、「色々あるが、手でいれるのは確実にメーカーよりおいしい」と聞き捨てならない話になった。こういうことだ。

  • コーヒーで重要なのは最初の「蒸らし」だがメーカーではそれはできない
  • メーカーでは機構上お湯の温度があまり調節できない(熱いか、ぬるいか聞いたのだが忘れてしまった)

お店の方は、実際に説明しながらコーヒーをいれてくれた。

  • 豆はペーパーフィルターに合わせてひいてあり、それを計量カップで正確に計る
  • このお店では二人分では「穴がひとつ」のドリップを使う(アクリル製だった)
  • お湯は熱すぎてもいけない。このお店では一度沸騰させたものを別のポットに移し替えてから注ぐ。勿論ぬるすぎてもいけない。
  • 最初に豆が全体しめるようにお湯をかけて、しばらく待つ(蒸す)
  • あとは何度かお湯を注ぐが、お湯は「真ん中」に注ぎ、周辺にはかけない。まんべんなくかけたりしてはいけない。
  • 決められた量が抽出できたら速やかにドリップを外す。最後まで出すと雑味が出て味を損ねるからだ。

手順としては以上だが、こうしていれ終わると、ドリップの真ん中がへこみいわゆる「土手」ができている。お店の方は「こうならないといけない」という。できあがったコーヒーを「はい、どうぞ」ということで、いただくとやはりおいしい(そりゃおいしいよね)。飲み終わった頃にはすっかり珈琲道に目覚めてしまった。会社を早く帰り横浜に寄り、一つ穴のドリップを探す。JOINUS、ソニプラ、高島屋などまわったが、一つ穴がないので残念ながら三穴のドリップにした。豆は勿論お店で買った焙煎したての豆だ。それから毎日、手でコーヒーをいれている。

最初の一杯はそこそこの土手ができて、まずまずおいしいコーヒーになった。だが、いれる都度仕上がりがばらつき、なかなかお店で見せていただいたようにはいかない。手でいれると、豆の挽き具合も気になってきた(メーカーだとセットすると見えないが、手でいれると当然気になる)。お湯の温度、豆の量、挽き具合、お湯のかけ方、その時の気分・・・。メーカーでいれるよりも手間がかかるし、時間もかかる。なかなか思ったようにも入らないけれど、うまくできなかったときは「どうしてかな」、「もっとおいしくいれたいな」と思うのも楽しい。