自転車の整備

僕が乗っている自転車は近所の自転車屋さんで買ったいわゆるママチャリだ。多分買ってからもう5, 6年くらいたっている。距離計をつけていないけれど、結構乗っている。今まで後輪のタイヤ、サドル、グリップのゴムを交換している。タイヤが減るほどママチャリに乗る人はあんまりいないんじゃいだろうか。

この自転車を購入したのにはきっかけがあった。近所を散歩していたら自転車屋さんがあって、そこでご主人のおじさんがホイールを回転させながらスポークを調整していた。いわゆる「振れ取り」で、スポークの張力を調整しながらできるだけ真円に近い状態にするための作業だ。スーパーマーケットやデパート、あるいはトイザらスのようなお店で見ることのない光景というか作業に足をとめた。

おじさんは自分でフレームを注文してパーツ(といってもSHIMANOの変速機とかではなくて、ローラブレーキとかだけど)をアセンブルしてオリジナルの自転車を組んで販売していた。その話を聞いて26インチの自転車を1台「オーダー」した。ママチャリだけど、2万円以上した記憶がある。ユニーとかヨーカードーに行けば1万円しない自転車があるけれど、ちゃんと自転車を修理できるお店で買いたかったし、小さなお店を応援したい気持ちもあった。自転車を買ってからも何かあるとおじさんのお店に行って部品を買ったり、有償の点検を受けたりしていた。その都度おじさんと話をした。

おじさんは言っていた。「修理をするとパーツ代よりも人件費が高くなってしまった」と。そうだと思う。昔はフレームの歪みを修整したり(自転車のチェーンは片側についているから、フレームは右側に引っ張られて少しずつ歪む)、グリースアップしたりしたそうだけれど、今はやっていないそうだ。オリジナル自転車の組み立て自体も今はパーツ屋さんが少なくなり行っていない。だから僕はもうおじさんのお店で新しいオリジナルは買えない。

今日その古い自転車のペダルを交換し、グリップのゴムを交換した。可動部分にスプレータイプのグリースをさし、ついでにさび付いたねじの何本かを外して、金物屋で新しいものと交換した(完全にさび付くと回せなくなるからだ)。サドルは一週間前におじさんのお店で交換してもらった。ペダルの交換には専用のペダルレンチが必要だ。それは先週みなとみらいのスポーツオーソリティで購入し、ペダルはホームセンターで購入した。グリップはなかなか良いものがなくて、今日港北ニュータウンのオリンピックで買ったものだ。パーツやら工具で数千円、それに作業した時間を換金するとやっぱり安いママチャリは買える。

詳しい話は忘れたけれど、スーパーとかで安く買えるママチャリは中国とかで作られていて、危険なものがあるそうだ。それが本当かどうか、僕にはわからないのだけれど、おじさんが言うからそうなんだろうと思う。少なくとも、おじさんが組んで修理してくれた自転車のように信頼しては乗れないし、あまり手間をかけて整備しようとも思わないだろうという気はする。

スーパーでこれだけ安く自転車が売られていたら、おじさんの商売は大変だろうなと時々思う。だけど、おじさんのお店はいつ行ってもお客さんがいる。それを見るとなんとなくいつも安心する。おじさんオリジナルがなくなったからというわけではないけれど、最近ロードレーサーが欲しくなってきた。