バッタ君を驚かせる

朝、会社に行く前にいつものように鉢植えに水をあげた。少し急いでいたせいか、バッタ君が鉢を飛び出て、駐車場のコンクリートの上に出てしまった。鉢に戻してあげようと思って手を向けたが、バッタ君はおとなしくつかまらない。さわることもできぬまま身体の10倍くらい大きくジャンプし、垂直な駐車場のブロックの壁面にくっついている。すぐに無駄なことだと悟った。

僕としては、もとの鉢植えに戻って平和に暮らして欲しい。それが叶わなかったとしても、人や車の通らないところに逃げて欲しい。だが、それはおそらく僕が決めることではない。そう思って、あきらめて会社に出かけた。