会社での情報漏洩に対する危機意識は高まり、対策はさらに過激になりつつある。関係する周知ややりとりはどこか尋常でないものが感じられる。こうした変化を受けて、自宅で行う作業のために使用していたThinkPad X31を会社に持って行くことにした。メールを読んだり、打ち合わせ資料を作ったり、論文を書いたり、デモのコンテンツを作ったり、講演の準備、バックアップ機材として使ったりと、約2年間ほぼ毎日使い込んだThinkPadだ。

このPCには、お客様や個人情報は含まれていない。メールについては以前はMewimapで読んでいたが、少し前からVPNで会社のネットワークに接続して、リモートデスクトップで読むようにしてキャッシュされていたデータは削除してあるから何もない。もし自宅に泥棒が入って、このPCを持ち出したとしても、思いつく範囲では特に重大な事態にはならない気がするが、どうもそのことは同意してもらえない気がするし、いくら可能性が低くてもそれが絶対起こり得ないわけではないのであきらめた。

一応家には個人持ちのPCが何台かあるので、1台を選んで今後それをメインに使うことにした。少しずつ環境を整理しているのだけれど、これがなかなか大変だ。X31は毎日使っていたから作業に使うアプリケーションは最新になっていたし、設定も自分流にカスタマイズしてある。アプリケーションはダウンロードしてインストールすれば終わりだけれど、設定はそう簡単にはいかない。何かにつまずいて、「ああ、PCを変えたんだ」と気づいて、設定を作る。その繰り返し。作業をしながら、「ああなんて無駄だろう」と思わずにはいられない。もっと他にすべきことがあるんじゃないかという気がする。