ルートヴィヒ

ビデオで録画していたヴィスコンティの作品を鑑賞した。オンエアされたのは4時間だが、当時上映されたのは2時間だったらしい。4時間のバージョンで長いとも無駄な部分ともあるとも一切感じなかった。いったいこれをどう半分にしたのだろう。

映像は豪華絢爛で美しく、ルートヴィヒの生涯そのままに費用を考えずに撮影されたかと思わせる。無駄なエピソードやとってつけられたようなカットはない。全編にわたってそれを実現するには、才能と忍耐が必要になるだろう。そのことは想像できる。ただ、一本の映画として見た場合、この作品はそれほど良いとは思えない。狂王、エリザベートの心理は踏み込んだ描写がなされておらず、ワーグナーはあまりに単純な人物として描かれている。「何故」が欠けている。