Work Life Balanceについて
昨年12月に会社で大がかりな情報漏洩対策が始まった。小型可搬媒体の禁止とPCのセキュリティ強化(一種のMACだ)の導入はずっと前から始まっていたけれど、今回はメールが対象だ。メッセージへのファイルの添付が制限され、いわゆるwebメーラーサイトへのアクセスがフィルタリングされ、メール本文の中身は検疫され、Gmailを含むフリーアカウントにメールの送信(今のところ受信は許されている)ができなくなってしまった。単純な仕組みだが、運用が始まってからその効果の高さを痛感し、ある意味感心しているが、逆に言えば、不便で仕方がない。
TOMOYO Linuxのプロジェクトが始まった頃、既に会社のファイアウォールではsshやcvs, svnなどは許可されていなかったから、SourceForge.jpでの作業の大半は、自宅から行っていた。その頃は、ノートPCの持ち出しについても特に規制はなかったから、毎日鞄にThinkPadを入れて自宅でも職場でも場所や時間に関係なく、作業を行っていた。自分が管理職ということもあるが、「勤務時間外」という感覚はゼロだった。
一連の対策は、会社の中における「個」の部分をなくすことにつながる。コミュニケーションの主役であるメールについて、Gmailのアカウントでメッセージの交換や連絡をとることはできない。執筆のような作業についても同様だ。「会社員」としての自分と「個人」としての存在の分離は、勿論おかしなことではないが、それは個人にとって窮屈なだけではなく、会社にとっては目に見える「情報」以外の何かの損失につながるだろう。結局、セキュリティ強化やその対策は、トレードオフであり、その「損失」を適切に評価できない企業はこれから衰退が避けられないだろう。
今年の正月休みを使って、個人としての独立した作業環境を作る作業をしていて、それはだいたい準備ができた。だけど、新しいWLBについてまだ自分の中で整理がついていないでいる。