LWN.netのJakeと話す

OLSでLWNのライターの一人のJakeを見かけた。JakeはELC2008でも講演を行っており、昨年のELCでも会っていたような気がする。いつもアロハシャツと短パンでサングラスを頭にかけているので、大変視認性が良い。こっちは相手をよく知っているが、相手はこちらを知らないので、特に話しかけたりしていなかったが、オタワ空港からシカゴに向かうUAの便に乗り込んだら、機内に座っていて「あ、こんなことにJakeが」と思っていたら、自分の隣の席だった(笑)。

「これは仕方ない(何が仕方ないのだ?)」と思って、「Jakeさんですよね?LWN、読んでます」と握手を求めたら、会話が始まった。普通、こうした状況では相手のほうが話しかけられるのが迷惑な雰囲気になるので深入りしないのだけれど、「TOMOYOのプロジェクトマネージャだ」と言ったら、「ああ、あのTOMOYOか、まあ座れや(言われなくても座るよ)」ということでいろいろ話をした。Jonathan様やAndrew様とは違って、あまり緊張しないで話せる(見た感じは一番いかついのだが)。

JakeもまたTOMOYOのことは知っている。どう知っているのかというと「セキュアOSであり、大変もめて難しい状況になっている」ことを知っている。で、おそらく「あんまり関係ないし、かかわらないようにしよう」と思っているはずだ。OLSで会った人の話からも判断して、LKML購読者は、おそらくこのパターンがすごく多いと思う。

Jakeは分厚い本を持っていたが、本を読むのをやめてほとんどシカゴに到着するまで話し続けた。いろんなことがわかった。

  • コロラドに住んでいる(そういう雰囲気だ)
  • LWNのライターは4人いるが皆別々のところに住んでいてほとんど会わない
  • 今回はOLSの記事の取材のために来ていて、4本くらい記事を書こうと思っている
  • OLSは以外にも初回らしい(俺のほうが上だ。ふふん)
  • 結婚しているが子供はないらしい
  • おみやげにマグカップを買ったそうだ(何故か笑っていた。なんでおみやげにマグカップを買うとおかしいのか気になったが英語が難しくなるのであえてスルーした)
  • 記事の執筆については、特にルールがなく、4人で適当に運用しているらしい
  • 日本には一度もきていないそうだ
  • 日本の漫画が好きで「ヒカルの碁」を読んでいるというので驚いた。「24やPrison BreakやThe Dead Zoneが好きで今はCSIにはまっている」と言ったが、「俺はテレビは見ないんだ」と一刀のもとに切り捨てられた(不覚)。アメリカ人なのにCSIを見ないなんて、どうよ?と思ったが、怒ると困るのでスルーした

TOMOYOの状況についてもいろいろお話をしたが、やはり「やばそうなプロジェクトであんまり関われない」的な雰囲気が見え隠れする。ちょっとこうした見方をされているのは問題があるがどうしたものか。

フライトは2時間くらいで、Jakeがとてもフレンドリーだったので、調子に乗って、MacBookを開いて今回の講演資料をデモしたら、案外受けて、なんだか自信を取り戻した。そこでさらに調子に乗って、LFJの講演の資料もデモしたら、全編完全に見てくれた。「トシちゃん感激!やーねあたしはキンドーさんよ」というくらいうれしかった。実は自分でも意識していなかったのだが、LFJの資料にはびしびしLWNの話やリンクがでてくる。まるでLWNに媚びを売ることを意識して作った資料のようだがそんなことはなく、結果的にそうなっている。なんといっても「LWNを購読しろ。ごるぁ」というページはあるし、Jonathan様が書いてくれた記事が紹介されているし、過去の投稿はLWNの記事へのリンクになっているのだ。特に、Jonathan様の写真がアップで登場するシーンでは、Keynoteのアニメーション効果がいたく受けて爆笑となり、つい横で八神明のようにほくそ笑んでしまった。Jakeに「LWNにTOMOYOのことも書いてくれない?」と言おうかと思ったが、自分はそういうこそくなことはしたくないので、黙っていた。是非空気を読んで欲しいものだ。

飛行機で外国人と隣合わせになるとなんとなく気まずいものだが、今回はこういうことでとても楽しくかつ有意義に過ごせた。あとはJakeが記事を書いてくれれば(笑)。Jakeの名刺までもらってしまって、「日本にくることがあったら手伝うから(何を?)連絡しろ」と普段言わないようなことまで言ってしまった。まあ、本当にそうなったらそのときはそのときだ。しかし、それにしてもたまたまJakeの隣に座る確率はいったいどれほどのものだろう。TOMOYO Linuxという物語はまだ続いている。