負けてはいけない試合

北京オリンピックは時間帯も日本と近かったので、自分としてはめずらしく長時間TVで観戦していたが、バトミントンには特に力をいれて応援していた。もともとバトミントンに興味があったわけではなく、それどころか競技にバトミントンがあることも知らなければ、(テレビを見ないから)「オグシオ」の意味も知らない*1、唯我独尊状態?だったのが、たまたま放送されていた末綱、前田ペア*2の試合を見ていきなりはまってしまった。オグシオが敗退したところから後の全試合をライブで観戦し、新聞の記事もスクラップしている。

昨夜のニュースで、オグシオの解散と最後の試合のことは知っていたが、自分はオグシオペアは特に追いかけていないので関心がなかったが、今朝の新聞記事とテレビのニュースで、オグシオの最後の試合の相手が末綱、前田ペアであり、オグシオが勝利を納め、有終の美を飾ったことを知った。通勤の途中の電車でも新聞や週刊誌にそのニュースが取り上げられている。

自分はバトミントンファンではないけれど、北京オリンピックの時点では、末綱、前田ペアの実力は確かに前評判の高かったオグシオを抜き、世界に挑戦できるレベルにあり、メダルを手中にする勝機もあったと思う。残念ながら3位入賞は果たせなかったが、そこには持てる力を発揮し尽くしたことを感じさせるものがあった(惜しむらくは、あと少し相手に負けない気力、気迫が欲しかった)。期待され、スポットライトを浴びるオグシオの陰で、実力をつけた二人の熱い戦いに胸を熱くして試合を観戦していた自分があった。

帰国してからのことはわからないし、昨日の試合も見ていないから実際のところどうだったのかわからないけれど、昨日の試合は末綱、前田ペアとしては落としてはならない試合だったと思う。きっと、オグシオにとっては、買っても負けてもあまり大きな違いはなく、もしかしたらむしろ負けた方が悲運のペアとして、さらに大きく取り上げられ、人々の記憶に残ったかもしれない。しかし、末綱、前田ペアにとっては、どうしても負けられない試合だった。もしかしたら、本当にオグシオのほうが力が勝っていたのかもしれない、でもそうだとしても勝たなければならない試合だった。オグシオはもう解散する。どんなに泣いて、どんなに悔やんでももう二人はオグシオに勝てない。

*1:最初は何かの動物の名前かと思っていた。

*2:新聞記事によると二人は「末前ペア」と呼ばれるのを好まないということが書いてあるのを読んだことがある。