Hamanoさんとの出会い

FreedomHEC Taipei 2008が始まった。会場に到着すると講演者(speaker)は会場の右側の最前列に座るように指示されて、座って待っていた。早く着きすぎたので、一番のりだ。今回の講演者の名前はプログラムに掲載されているが、知っている名前はgitのメンテナのJunio Hamano氏だけで、それ以外の日本人は自分と武田隊員の二人きりだ。

徐々に人が増えて、speaker席も埋まってきた。どの人がHamanoさんかと思って注意していたら、アジア系で髪が黒い人が前に座った。かなり若い。それから、もう一人、黒髪でやはり若い人が席に着いたが、彼はアジア系には見えなかったので、消去法で前に座っている人がHamanoさんかなと思っていたときに、吉田栄作さんに似た感じの人が寄ってきて、「僕たちが隣に座っていいですか?」と英語で尋ねてきた。何故一人なのに「僕たち」かと思ったら、「もちろん、どうぞ」と答えると彼はもといた場所に戻り同伴者と思われる女性を連れてきて自分の隣に座った。結局のところ、自分の隣に座ったのがHamanoさんだった。

Hamanoさんについては、講演者リストに名前を見つけてからお会いするのを楽しみにしていて、事前に写真も探していたが、結局一枚も見つけられなかった。そのことを話すと、「いや、自分の写真をどんどん掲載する人もいるけれど、僕はあんまりそういうのが好きじゃないんですよ。ネットには一枚しかアップしていないんです」と言って、僕のMacBookのキーボードをたたいてその一枚が載っているページを見せてくれた。僕は、TOMOYOの活動を始めた頃、Linux Foundation Japanの過去の講演資料の中で、Hamanoさんの「僕がリーナス君と仕事をして学んだこと」の資料を読んで、参考にしたことなどをお話した。Hamanoさんはこちらを認識していないと思っていたら、意外にもTOMOYOや自分の名前をご存じだったようだ。Hamanoさんは、いつも奥さんと一緒に行動し、講演の途中もよく奥さんと話をされている。今は、LAで暮らされているそうだが、日本ではあまり見かけない種類の気配りが気持ちよい。