The Dark Knight

FreedomHEC Taipeiに向かうEva航空の飛行機の中で、この映画を観た。暗くて、重くて、かなり長いこの映画は、とても見応えのあるしっかりとした作品になっている。「見応え」という点で、この作品に匹敵するものはちょっと思い出せないくらいだ。

この作品にはLeonに出演していたあのゲーリー・オールドマンが出演していた。僕はLeonでの彼の演技に魅了されて、何本か続けて彼の出演作を見たことがあったのだけれど、気がつかなかった。口ひげを蓄えていたし、年もとっていたのだけれど、それらを差し引いても「普通」だった。彼は、いつのまにか普通の俳優になっていた。

この作品で輝いていたのは、「ジョーカー」を演じたHeath Ledgerだ。僕はその名前を知らなかったのだけれど、すごい演技だ。そして、彼は今年の1月にニューヨークで死んでいた(死因は、accidental overdose of prescription drugs)。興味深いことに、機内にあるプログラムの冊子にはHeathが死んだことは明記されていない。ただ、出演者の集合写真に彼が写っていなくて、エピソードが過去形で書かれている。

昔のバットマンでは、ジャック・ニコルソンがジョーカーを演じていたが、好きにはなれず、かの名優の演技ではあったが滑稽だと思った。しかし、この作品でHeathの演じるジョーカーはすごい。狂っている。この映画の主題は善と悪の対比で、The Dark Night(闇のナイト)とはもちろんヒーローであるBatman(ウェイン)のことだ。しかし、その主題はやや強調されすぎていて鼻につくし、演出ももう少し控えめなほうが良かったのにと思う。でも、この映画はやっぱりHeathの映画だ。