ビバホームでポリカンポンプを買う

冬に備えて、少し前に灯油ファンヒータを押し入れから出して灯油を入れておいた。そのときに気がついたのだが、灯油のポンプが壊れたらしく給油すると少し灯油がもれる。今使っている灯油ポンプはこの日記でも何度かとりあげたことがあるタカギという会社のポリカンポンプという製品のOEM商品だ(見た目はポリカンポンプにそっくりなので、タカギの製品だと思って購入したのだった)。それ以来、ずっと(今度こそタカギ純正の)ポリカンポンプを買おうと探しているのだけれど、なかなか置いてあるお店が見つからない。最後には、タカギのホームページで営業所を調べて電話をして聞いてみたが、残念ながら自宅の近くにも職場の近くにもポリカンポンプを置いている店がないことが判明した。仕方ないので比較的職場から近い東十条のホームセンターに行こうと思っていたが、会社のすぐ隣にある巨大ビバホームにタカギ製のホースが置いてあったことを思い出して(車の洗車と花の水やり用にタカギ製の巻き取り型シャワーを持っているが、こちらもすこぶる使い勝手が良い)、だめもとでサービスセンターのおねえさんに「こちらでホースを扱っているタカギという会社のポリカンポンプという灯油ポンプを取り寄せてもらえませんか?」と尋ねてみたのが先週のことだ。

実は東十条にあるホームセンターのお店にも電話して、「代金と送料を振り込むので郵送してもらえませんか?」と尋ねていて、あっさり「うちではそういうことはしていません」と断られたのであまり期待していなかったのだが、ビバホームさんから電話がかかってきて取り寄せてもらえるという。ビバ伯爵!じゃなくてビバ、ビバホーム!

1個だと悪い気がしたので予備*1ということで2個注文をお願いしていたのが、一週間も経たず入荷して電話をいただいた。ということで昼休みにビバホームさんに行って、代金2,000円弱(1個千円もしないのだ。安いなぁ)を支払い持って帰ってきた。

多分以前の日記でも同じようなことを書いていると思うけれど、僕はこのポリカンポンプという製品はあらゆる家庭用灯油ポンプの中でも素晴らしく品質が良く使いやすい製品だと思っている。ネットで検索しても「気に入った」「使いやすい」という声が多数出てくる。でもこんなに素晴らしい製品なのに、あまり知られていないのはとても残念なことだから、ささやかながらこの日記に書いておこう。

製品の紹介ページから引用

1970年代、株式会社タカギはまだ金型製作がメインの下請けの会社でした。なんとかして自社オリジナル商品開発して販売することが目標でした。下請企業からメーカーへの転身を目指していた時代です。
社内では高城社長を含め社員全員が新商品のアイデア・ヒントを日々考えていました。そんな中、ある社員が「水割りを作るときに使う頭を押して水を出す「水差し」のようにして、灯油も汲み上げられたら便利では?」と提案しました。当時いわゆる「100円ポンプ」が主流。石油ストーブも取り外しできるカートリッジタンクはなく、ストーブ本体のタンクへ直接灯油を入れていました。当然、灯油が汲みにくく、すぐこぼれたり、手が汚れたりして、寒い冬のいやな作業のひとつでした。このアイデアに社長が「これだ」と思い、開発を開始。試行錯誤を重ね1977年に「ポリカンポンプ」が完成しました。
当時のポットのように頭を押して空気圧で給油。ホースの先はノズルになっており、手元でストップできる!ポンプはポリタンクに取り付けたままでOK!倒れてもこぼれません!畳の上でもこぼれない便利な灯油ポンプ! がキャッチフレーズでした。

完成はしたももの原価が高く、店頭価格が1980円という100円ポンプの20倍もする商品でした。「灯油を汲むのにこんな高いものはいらない。売れるわけがない」と小売店に受け入れられませんでした。それでもあきらめず、試験的に実演販売だけでもさせてもらえるよう小売店に頼みこんでまわりました。「実演販売するなら」とやっと受け入れてくれた小売店で、灯油のポリタンクに水を入れ、ポリカンポンプをセットして店舗の外売場での実演販売を開始。寒い冬の外売場での実演販売は厳しいものでしたが、その効果は徐々にあらわれ、最大一店舗で1000個以上売れたこともありました。この実演販売の実績が、全国の小売店へ採用されるきっかけとなったのです。こんな高い灯油ポンプは売れないという常識を覆し、年間10万個以上を売る商品に成長しました。
同じ原理で、水タンクに取り付けて簡易シャワーになる「アウトドアポンプ」も発売しました。

しかし、灯油ポンプも時代が変わり「電池式の灯油ポンプ」が主流になると、自動停止・ブザーお知らせといったより便利な機能追及と、価格の下落が止まらないといったカテゴリーになってしまいました。ポリカンポンプもその流れに飲み込まれ、次第に販売数も少なくなっています。

ポリカンポンプはポリタンクに取り付けたまま、外すことがありません。電池交換もないので、一度取り付けると、ポリタンクと一緒に長期間愛用できます。発売から28年たったポリカンポンプ。今でこそタカギの主力商品ではありませんが、このタカギとともに歩んできたロングセラーであり、ロングライフ商品です。実際に使ってみてわかる便利商品「ポリカンポンプ」。全国に愛用されている方がいる限りこの商品を無くすことはありません。

(T_T) ちきしょう、泣かせるぜ・・・

「発売から28年たった」の部分を読んで、ちゃんとこの商品紹介ページを更新し続けているのだと知った(1977年発売だから実際には31年になる。あとで連絡してあげよう)。それにしても、開発の苦労とポリカンポンプという製品への愛、また利用者への配慮が感じられる素晴らしい説明だと思う。

タカギさん、ポリカンポンプを作ってくれて、今も販売を続けてくれてどうもありがとうございます。これからも死ぬまでポリカンポンプを使い続けます。

*1:ポリカンポンプは大変耐久性の高い製品でそうそう壊れないし、製品にはメーカの2年間保証がついている。