Jonathanからのメール

台湾に行っていた間に開催されたLinux Foundation Japan #9 SymposiumでJonathan Corbet氏が講演を行っていた。帰国後、その講演資料、"The Kernel Report (LF Japan Symposium 2008 edition)"を読んだところ、"Unix-style DAC may not be enough"(従来からのDACでは十分ではない)というページ(p29)がありうれしく思った。まさにそれこそは、FreedomHEC Taipei 2008で自分が行った講演、"Secure Linux" Primerの主題だからだ。

また、講演の資料(p31)には、"Coming soon - maybe"(そろそろメインライン、かもよん)として、AppArmorとTOMOYO Linuxの名前もあがっていたし、参加したN君から聞いた話によると、実際の講演では「AppArmorは(アップストリームへのマージを)諦めた。TOMOYOは取り組みを続けている、来年には入るかもしれない」とも、のたまわれたらしい(いきなり敬語)。ありがたい・・・。(T_T)

うれしかったので、Jonathanと(OLS2008の帰りの飛行機でたまたま隣に乗り合わせた)LWN.netのJakeに、「台湾で開催されたFreedomHECで話をしたので、来日時の講演が聞けなくて残念だった。基調講演でTOMOYOのことを書いてくれてありがとう。元気づけられました」とメールを送っていたら、返事が届いた。

Ah, I was wondering why I didn't see you there. Lots of events
happening at the same time; I would have liked to swing by FreedomHEC
while I was in the neighborhood, but that wasn't meant to be.

Do keep trying with TOMOYO, you might just get there. Getting security
modules merged is really hard (I suspect you've noticed that by now),
but it can be done eventually.

I'll look for you in Hobart. I have no idea which miniconfs I'll
attend, but I'll definitely be there.

Thanks,

jon

要約:
LFJの講演に姿を見ないからどうしたのかと思っていたよ。
ま、イベントも増えて重なるからね。都合が合えばFreedomHECのほうにも
行きたかったんだけどそうもいかなかった。

TOMOYO Linuxは是非頑張って欲しい。そこに行けるんじゃないかな。
セキュリティのモジュールをメインラインに入れることは本当に難しい
(多分これまでで実感しているだろうけど)。

Hobartで会おう。どのminiconfに出るかはわからないけど、とにかく
そこ(=タスマニア)にはいるよ。

じゃあね。

ジョン


Hobartというのは、来年1月(ていうか来月)にオーストラリアのタスマニアで開催されるLinux Conf Au、略称LCAを指している。LCAは本会議(conf)とミニ会議(miniconf)で構成されているけれど、TOMOYOはCaseyが主催するセキュリティのminiconf, Linux Security 2009で話をすることになっている。ジョンは、confの初日に"Joining the mob: the kernel development process"と題して講演を行うのだ。本当は、LCA2009は、Russell CokerやJohn Johansenなどが参加する。開発者の議論がメインであり、また場所も遠いので(笑)、自分ではなくて武田隊員と熊猫博士(探検隊長)に行ってもらおうと思っていたが、このメールをもらって、ちょっと困ってしまった。