初の「ジャーナル」投稿

「ジャーナル」といっても朝日ジャーナルに記事を書いたわけではないし、ファイルシステムの話でもなく、論文のことだ。

以前からなんとなく特別な意味を持っていそうな気がしていたが、最近やっとその意味を知った(遅杉)。「ジャーナル」とは、実は「論文誌」のことだったのだ。それも論文誌なら何でも良いわけではなくて、しかるべき(由緒正しい)学会の発行している論文誌だ。由緒正しい学会には、少なくとも電子通信情報学会と情報処理学会が含まれる。「査読付きフルペーパ」という言葉をよく聞くが、これも多分「ジャーナル」を指して使われることが多いような希ガス、じゃなくて気がする。

TOMOYOではこれまで5本の論文を書いているが、3本はLinux Conference(現在はJapan Linux Conferenceに名前が変わっている)で、1本は愛知県立大学情報ワークショップ、もう1本はJNSA主催のNetwork Security Forumで、全部「ジャーナル」とは関係のない世界であり、特にLinux Conferenceはある意味「反ジャーナル(粒子に対する反粒子のように)」だ(笑)。「ジャーナル」の世界の人たちは、たまには「ジャーナル以外」に論文を書くことはあるのだろうけれども、反ジャーナル(別にジャーナルに敵対しているわけではない)の住人はあまりジャーナルの世界に立ち入ることがないと思う。それは単にお金がないだけではなく、ジャーナルの世界はきびしい掟があるのだ(ということも最近知った)。

  • 会員でないと投稿できない(さらに他の人の過去の採択論文も読めないようだ)
  • 会員になるには会費がかかる(ここにムンクの叫びのアイコンがあるつもり)
  • 査読がきびしい(アイコン2個、しかしあくまで予想にすぎないので注意)

しかも、それだけではない。「ジャーナル」は年中投稿できるわけではなくて、投稿できるのは年に数度、さらに査読審査は何ヶ月もかかるらしい。おそるべし・・・。

それはともかく(「それ」って何だよ)、生まれて初めて「ジャーナル」に投稿させていただいた。投稿のシステムも不思議で、まず投稿の申請を行い、それから投稿するようになっている(申請自体は特に審査されずただの届け出になっている。いったい何のために申請を義務化しているかは謎だがきっと人知のおよばない深い理由があるのであろう)。それぞれはきわめて厳密厳格な期限が設定されており、おそらく1秒でも遅れると受け付けてもらえない。また、『申請」をしてから、投稿までの間には時間がもうけられているのだが、今回期限ギリギリで投稿したところ、3度も「まだ登録していないようだけど、どうなってる?ぎりぎりで投稿してサーバが混んでいて受理されなくても知らないぞ」的なメールをいただいた。危うく心が折れるところだった。多分この精神的重圧を乗り越えられることも求められているに違いない。受付もただPDFをアップロードすればOKというぬるいものではなく、正常にアップロードされ、さらに学会の関係者様が正常に印刷できることを確認されて初めて「受理」となる。

これに比べると、今まで自分がやってきたOSSの投稿は・・・。(ひどいっちゃあひどい)

こんなことをブログに書いていいのかちょっと心配になってきた。ここのブログは匿名だから大丈夫とは思うが、もしこのエントリが削除されたり、ブログのアカウント、あるいは自分がいなくなったら、そのときは頼む(何を?)。


あ!