LaTeXでプレゼンテーション用の環境を作ろうとして、Debianに感心することになった話

情報オリンピックの講演では、LaTeXで講演資料を作成してみた。資料本文を書いたのは2日間くらいだが、「資料を書けるようにする」までに調べ物など含めると3ヶ月くらいかかっている(笑)。LaTeXで資料を書いたのは、FOSDEM'08以来2回目だ。PowerPoint, HTML, Keynoteなどいろいろ試してきたけれど、自分で一番美しいと思うのは、LaTeXだし、技術系、それもオープンソースの話題について語るのに、PowerPointはどうかなと最近思っている。

情報オリンピックの資料は最終的には、Windows上でBeamerで書いているが、そこにたどり着く前に、ProsperやPowerdotなどいくつかのツールを試してみたし、作業する環境(OS)についても、Windows, Mac OS, Ubuntu, Debianなどで試してみた。ここに書いた組み合わせだけでも8通りあるが、実際には「どんなエンコーディングで書くか」という問題もありいやらしい(もっと言えば、Mac OSについては、Portsを使うかFinkを使うか、あるいは他の独立したパッケージを使うか、自分でビルドするかという選択肢もある)。さんざん試したあげくの自分の結論は、一番安定していて、問題の少ないのは、Microsoft Windows上だ(それについても、インストールするバリエーションは多数存在している)。ここで、「問題の少ない」というのは、「資料作成に関する本質的な作業以外にかける時間を少なくできる」という意味だし、「(資料を執筆する、というかLaTeXコンパイルできるようにするための)環境を再現しやすい」ということでもある。

ツールの用意や環境づくりに時間をかけたくないと思い(その割にさんざんかけているわけだが、趣味としては悪くないし、パズルのようで楽しくさえある)、どうするのが良いのかなと考えていたら、仮想マシン上に一通りの環境を構築して、それをDVDで付録に添付している書籍があった。

VMware Playerですぐに使える日本語TeX&EWB

VMware Playerですぐに使える日本語TeX&EWB

「やっぱり、同じことを考える人がいるんだな。たしかにVMだったら、いろいろな環境で利用できるな」と思い、書籍を購入してみた。

仮想マシンの環境としては、FreeBSDを使っていることがわかった時点で、何故急に(わけもなく)FreeBSDがインストールしたくなってきた。「あぁ、FreeBSDインストールしたい」とじりじりしてきた。多分、春の風のせいだろう。で、家に帰ってから実に久しぶりにFreeBSDをインストールしてみたが、その「あまりの昔からの変わっていなさ」に驚いた。シンプルと言えばシンプルだ。悪くはないし、中身も折り紙つきだ。だが、Linuxに慣れ親しんでしまった身体にはきつい。「うーん、ここからやるのはなぁ」と思いながら、おもむろにUbuntuでインストールしなおした。こちらはおなじみだし、デスクトップとして快適極まりないのだが、「あまりに準備良すぎてつまらない」。困ったなぁと思い、今度はDebianの最新版を焼いてネットインストールした(同じマシンに3度続けてインストールしているのだ)。

DebianはPotatoの頃に使っていて、その後趣味のユーザだったが、まじめに?インストールしたのは、多分十数年ぶりだ。その十数年ぶりのDebianは、FreeBSDインストーラと比べると(笑)、とても親切だし洗練されている(別にFreeBSDのインストラーが悪いとは思いませんが)。なんていうかとても気が利いていると思った(根拠を説明するのは面倒なので省略)。驚いたのは、psgmlもパッケージになっていて、apt-getで環境ができてしまう。Emacsでhtmlファイルを新規に開くとちゃんとpsgmlモードになっていて、DTDに従ったHTMLが書けてしまう。日本語入力も完璧(パーパキ)だ。「俺、この味好きだよ」と昔のコマーシャルを思い出した。