豊洲駅の近くで暗闇から話しかけられる

一日の仕事を終えて、豊洲のビルを出た。会社のビルは豊洲駅に直結しており、ビルを出るとすぐに駅の階段がある。その階段に向かって歩いていると、逆のほうから一人の男性がのぼってきて、小走りにオープンスペースに設置されているテーブルに向かった。テーブルは、人々の歓談用に置かれているものだが、夜であり真っ暗になっている。人影は、鞄からノートPCと思われるものを取り出して、テーブルの上に置き、椅子には座らず立ったまま、何かごそごそ作業をしている。

君子危うきに近寄らず。最近、物騒なので気をつけようと思い、あまりそちらを見ないようにしながら、横を通り過ぎようとすると、何故か人物の動きが止まり、こちらを見ている。危ない!思わず早足になったが、驚いたことに「Hさん」と呼び止められた。このとき、小学生のときに読んだUFOに誘拐された人の体験記が思わず脳裏に蘇った。警戒しながら人影のほうに顔を向けると、それはなんとLFのo薗iさん(プライバシー保護のため一部伏せ字)だった。

「一体こんなところで何をしているのですか?」「いや、私は自宅がこのすぐ近くなんですよ(とビバホームのほうを指さす)」「それならご自宅に帰られてから作業されては・・・」「いや、家に帰るといろいろ子供とか邪魔がはいるので」「・・・それにしても今、何をされているのですか?」「いや、WiMAXのモニターをしているのですが、速度がどのくらいでるかと思って」

そう。o薗i氏は豊洲駅付近の暗がりでWiMAXの速度を計っていたのだ。確かに言われてみると、PCにはWiMAXのデバイスが装着され、画面にはベンチマークらしき画面が表示されている。速度は約5Mbpsだ。

「うーん、まあこんなもんかな」「結構速いですね」「いろんなところで速度を測定しているんです」「ほう」

o薗i氏との会話で、氏が結構細かくいろいろなところに移動しては同様にWiMAXの速度を計測されていることがわかった。人にはそれぞれ事情があるが、o薗i氏が不審人物と思われて尋問されなければ良いがと思いながら別れた。