答えにくい質問

たまに「(仕事が)忙しいですか?」と質問されることがあるが、その都度何と答えて良いか困ってしまう。

仕事の内容が単純で、「やればやっただけ目で見てわかる」ようなものならそれは簡単だ(実はそうした仕事に憧れていたりする)。質問されると、「さて、自分は何をやっているのかな」と考えてみたりしてしまうのだけれど、自分の場合は「一体、今何をすべきだろうか」を考えている時間が一番長いかもしれない。

状況は、刻々と変わる。その中にあって、現在の状況を判断(評価)して、必要なアクションや進めるべきプランを考える。漏れや間違いがないかを常に自分に問いかけ続ける。その合間に、あまり頭を使わなくても良いルーチンを処理したり、自分がやってみたいと思っていた事をする。「考え続けている」状態は、特に成果物を産まなくて、端から見ていると大変非生産的な状態だ。

「考え続けている」時は、またきっかけを待っている時間でもある。自分は、気が乗らないとあまり作業しないタイプであって、記事の原稿や打ち合わせの資料などは基本的にひらめきを待って、それから作業する。一週間後だから毎日1/7ずつ、何かしようということができない。その代わり、「よしこれで行こう」という考えが浮かぶと、そのときの作業は結構早いほうではないかと思う。

作業の中には、いろいろな条件を必要とするものがある。もっとも一般的な条件は、「時間」であって、ある種の作業はある程度まとまった時間がないと行うことができないのは多くの人が経験していることだろう。その他に特殊な精神的な状態というか集中を必要とするものがあって、自分にとってその典型は「論文」を書くことだ。「多分書けるんじゃないか」と思いながら、他のことが気にかかったり、割り込みが続いて、なかなか論文を書ける境地にたどりつけないでいる。