「赤いスイトピー」つながり

5月1日のMUSIC FAIRのゲストは、徳永英明さんだった。徳永さんのVocalistのシリーズを聴いていたこともあって、録画しておいたのだが、以下の曲がライブで放送された。これはもうちょっとしたコンサートだ。

ユーミンの曲に入る前に司会の鈴木杏樹さん、恵俊彰さんとのトークが入ったが、その内容がまた印象深いものだった。

「これ(赤いスイトピー)は歌って良かった。本当に良いメロディだったし、良い歌だった。」、「松田聖子さんになるのが大変だった。松田聖子さんが歌っていたあの頃に自分をあげる、というか自分の景色を目の前にもってきて歌う、というか」、「僕よりも歌っていた方の気持ちにふれながら歌いたい」、「ユーミンさんの歌を歌うときには、祈る。ユーミンさんになって歌うから、力を貸してください、そうしてお願いすると、自然に背筋がぴんとしてうまく歌えたりする」、「僕は過去のその人たちに会いたい」

番組を見終わってからも余韻が残り、何か感じるものがあった。そこでAmazonでVocalist 4を注文した。それからしばらくして、NHKのSONGSで2回にわたり松田聖子さんの特集がオンエアされた。

この2つの番組がまた素晴らしい内容で、デビュー30周年を迎えた松田聖子さんのインタビューと過去のビデオの紹介を交えながら、ライブでも何曲かが紹介された。もちろん、赤いスイトピーも含まれている。

そして、SONGSの第2回がオンエアされたのと同じ5月26日に、NHKで「音楽のチカラ」が放送された。この回は、自分が以前から注目している作詞家の松本隆さんの特集で、「清秋の言葉 風街の歌 作詞家松本隆の40年」という副題がついている。これがまたSONGSに劣らない素晴らしい内容で、松本さんが自分で作詞された曲、それを歌ったアーティストなどについて、コメントされた。もちろん、赤いスイトピーと松田聖子さんについても。この番組には、番組HPはないが、オンエアされた楽曲リストを見てもいかにすごい番組だったか想像がつくだろう。

いずれ劣らぬ4つのプログラムだったが、それらを結びつけるものが「赤いスイトピー」だった。もちろん、何度も何十回、何百回も聴いた曲だが、4つのプログラムを見て、何かを深く理解できたような気がしている。4つの番組のスタッフと、出演したアーティスト、松本隆さんへの敬意を表して、そのことをこのささやかな記録に残しておこう。ところで、「風街」で一部がオンエアされた薬師丸ひろ子さんの「Woman」は、ただ「うまい」とか「素晴らしい」という言葉では表現できないおそるべき歌唱だった。詩も曲も素晴らしいが、薬師丸さんの歌がそれを究極の世界にまで高めていた。NHKの過去オンエアされた番組の素材を使用したと思われるが、是非フルコーラスで聴いてみたい。