ヘッドハンティング会社の人を怒らせてしまった話

ある日、会社に電話がかかってた。「外人のなんとかさんという人ですが、よく名前が聞き取れなくて」と言って、取り次がれてきた電話をとると、ヘッドハンティング会社の方だった。メールはよくもらうけれども、堂々と会社に電話をかけてきた人はこれが二人目だ。「勤め先の電話に、転職の勧誘の電話をかけるのってどうよ?」と思いながら、電話をとり説明を聞いた。日本語があまり上手ではないようで、話し始めるとすぐに「英語でも良いですか?」と聞いてきた。「良いですよ」と言って、そこから英語になるが、アメリカやイギリスの英語ではないらしく、電話なのでさらに聞きにくい。説明の内容はおなじみで、「すぐ転職するつもりがなくても役に立つから、会って話を聞いて欲しい」と言う。「電話じゃ何なので、メールしてください。そうしたら読みますから」と言ったら、「メールアドレスを知らないから教えて」と言う。「おいおい、メールアドレスくらいすぐわかるだろうに」と思いながらも一応教えてあげて電話を切った。

それから数日経って、予告どおりにメールは送られてきた。一緒にLinkedInのinvitationも入っていた。約束したように、ちゃんとメールは読んだが、特に自分を動かす内容はなかった。で、放置しておいた。LinkedInは、自分は数を増やすことよりも、交流関係から自分を知ってもらうことを重視しているので、実際に会った人しか登録しないようにしている。だから、invitationも放置しておいた。すると、数日してから、同じメッセージが転送されてきて、その冒頭に「ちゃんと届いていますか?」と書いてあった。「(読んでも)返事をするとは、約束していないぞ」と思いつつも、なんとなく悪い気がしたので、返事を書いた。本当は英語で書けば良いのだろうけれども、面倒だったので、難しい表現や漢字を避けた平易な文章にして、ところどころ英単語を交えた。実際にどれだけ効果があるのかわからないが、同じような状況ではよく行う(話し言葉でも)。

XXXXXさん、

if you don't read japanese please let me know and
I will write to you in English.

メールは届いていますが、返事をしていません。
LinkedInも見ていますが、acceptしていません。

理由です。
・まず私は、XXXXXさんが思っているよりも忙しいということを
理解してください。
(メールをもらってもいつもすぐに返事を書けないです)
・LinkedInは使っていますが、私は会っていない人を
acceptしません。人数を増やして喜んでいる人が
いますが、私はそうではありません。
・私はとても多くofferをもらっています。Googleからも
もらったことがあります
話を聞くのは良いのですが、時間がとれません。
転職をするwillがないので、priorityは高くありませんから、
今まで誰とも会っていません。
・もし、私を本当に理解し、私を必要としているところが
あれば話を聞いても良いです。でも、あなたの
messageからそれを見つけませんでした。

あなたと会わないことを決めたわけではありません。
でも、あなたの他のofferの話を聞いていないのに、
あなたの話を最初に聞くreasonを見つけていません。

もし、あなたがそのreasonを持っているのなら、
それをshow me してください。そうすれば
考えます。

最後に、返事が遅くてすみません。ただ、
返事を書くほかにthings to doがあったのです。

自分としては、まじめに、また誠実に対処したつもりだが、残念なことにXXXXXさんはこのメッセージが気にいらなかったようで、英語と日本語混在で、こんなリプライがきた。

I really don't know who you think you are.

あんなやろと、私は働いません。Please get a 人生。

Thanks and regards,

XXXXX

日本語がおかしいが、言いたいことはわかる。全部英語でなくて、おかしな日本語が入っていることにより、感情というか怒りが大変よく伝わってくる(と、冷静に分析してどないすんねん)。どんな形であれ、自分のことで他の人を怒らせたり悲しませたりするのは、残念なことだ。かと言って、全ての提案について時間をとって話を聞こうとは思わないし、他にやらなければならないこともある。他にどんな対応ができたかなと考えている。なお、上のやりとりのあと、「ご希望に添えず、また気分を害してしまってすみませんでした」と書いたら、"Just wanted to say that your answer was surprisingly human and humble. Please forgive my harsh reaction. Best luck in your career."というお返事をいただいた。「たとえ、どんなに頭にきたとしても、こんな表現を使わないほうが良いですよ」と助言してあげようかと思ったが、もちろん自粛した。

自分は、XXXXXさんから二度とofferをもらうことはないだろう。もしかしたら、そのことによって、ものすごく重要かつ貴重な機会を損失したかもしれない。ただ、機会なりポジションの解釈は結局人の価値観により変わる。"luck in your(my) career"について、多分自分とXXXXXさんの間には深い溝がある。